老後の生活費、公的資金だけでは足りないというような報道をよく目にしますが、誰しもが多少なりとも将来の生活費について不安に感じているのではないでしょうか。定年退職やリタイアなどをして収入が年金だけになると、月によっては赤字になることもあるかもしれません。また、趣味や旅行のほか、持ち家のメンテナンスや家電の買換えなどまとまった支出があるときは、保有する資産を取り崩していく必要があります。金融資産がどのくらいあるのかを把握し、どの程度お金が使えるのかをきちんと認識することが大切です。

本日の記事では、お金の終活について紹介をしていきます。

お金の終活でするべきこととは?

現代は高齢化が進んでおり、お元気な高齢者の方も多くいらっしゃいますが、ある日突然介護が必要な状態になったり、認知症を発症することも考えられます。そうなると、どのような財産を所有しているのか分からない、誰に相続させるのかなどさまざまな問題が発生することが考えられます。ご家族への負担を減らしお金の流れを把握するためにも、財産を整理してその内容を家族と共有しておくことが理想的です。

とはいえ、お金のことは手続きなども複雑で面倒なことも多いので、手をつけるのが億劫な方もいらっしゃるかもしれません。お金の終活について、どんな準備をするべきかご紹介していきます。

資産や持ち物をリストアップし、把握をする

最初のステップとして、自分の財産・持ち物を洗い出し、保管場所を含めて書き出してみましょう。エンディングノートなどを使うのも、良いかもしれません。
・預貯金
・現金
・貸金庫
・有価証券
・生命保険
・不動産
・自動車、船、バイクなど
・ゴルフ会員権
・貴金属、絵画、骨董品 など

他にも、趣味で集めてコレクションしているものや、航空会社のマイル、ショッピングで貯めたポイントなども把握できていると取りこぼしが少なくなります。

また家族が把握できるよう、入会しているクレジットカード、契約している携帯電話、スポーツクラブ、スマートフォンなどから行なっているサブスクリプション(定期課金されるアプリなど)など、毎月決まった会費や金額などが引き落とされるものなども忘れずに書き出しておきましょう。

使用頻度の低いクレジットカードや残高の少ない預貯金口座など、この機会に整理をしておくと、無駄な出費が無くなったり、不正利用などのリスクも減り管理のしやすさに繋がります。

金融資産を分類し、必要なものに絞る

資産を洗い出しが終わった後は、それを使用目的ごとに分類します。支出が見込まれる目的がハッキリとすれば、使っていいお金と残しておくべきお金がわかり、計画的に使うことができます。

◆生活費の補填にとして必要になるお金
年金などの収入のみでは赤字になる場合に必要となります。高齢化が進んでいることを想定し、平均寿命や余命に数年プラスをしておけると安心です。

◆生活費以外に使うお金
趣味や旅行、住宅のメンテナンスやリフォーム、車の買い換え、葬儀や墓地の購入のほか、冠婚葬祭などでも思わぬ出費があることもあります。具体的な時期と頻度なども加味し必要な金額を見積りましょう。

◆入院や介護に備えるお金
1人につき200~300万円程度が想定されます。将来的に高齢者向けの住宅や介護施設への転居なども希望する場合は、入居一時金と月々の費用から金額を算出しましょう。

資産で支出を賄えない場合、老後資金を確保するための対策を考える

◆収入を増やす方法を考える
 ・投資信託
   投資信託は、少額でさまざまな商品に分散して投資できるのが魅力です。投資経験の少ない人は投資信託から
   始めるのが、リスクが少なくおすすめです。
 ・NISAの活用
   投資信託の売却益や配当益には、通常約20%の税金がかかりますが、NISA(少額投資非課税制度)を利用
   すれば、それらの税金が非課税になるとても有利な制度です。投資できる金額は年間で総額120万円、非課税
   対象期間は最長5年です。
 ・つみたてNISA
   つみたてNISAは「積立投資」専用の非課税制度です。積立投資は、毎月や毎週など決まったタイミングで
   一定金額を引き落とし、継続的に買い付ける投資方法です。つみたてNISAを利用して投資できる金額は
   年間で総額40万円、非課税対象期間は20年です。
 ・年金の繰下げ受給
   繰り下げ受給とは、年金の受け取りを65歳以後から70歳まで遅らせて受け取ることができる制度を指します。
   繰り下げ受給のメリットは手続きをした翌月から、受け取る年金が1ヶ月ごとに0.7%ずつ増えることです。
◆家計を見直し、支出を減らす
 ・固定費の見直し
   固定費とは、毎月必ず出ていくお金のことを指し、保険料、居住費、通信費などが該当します。
   固定費の見直しはまとまった削減効果が望めるため、優先的に行いましょう。
   また、自動車を保有している場合は自動車税、ガソリン代、自動車保険代などの維持費が嵩みます。自動車を
   手放し、公共交通機関を利用するのも固定費の削減に大きく繋がります。 
 ・家計費の予算を週ごとに立てる
   予算を1カ月単位にすると、早々に使い切ってしまう可能性があります。1週間単位に細かく区切り、
   交際費や外食などの支出の傾向をつかみましょう。
 ・無駄な買い物をしない
   食材を買い過ぎて無駄にしたり、衝動買いをできるだけ控えましょう。

なお、①~③を行ったあとに資産が残る場合、それは子や孫に残すことになります。あるいは、公益団体など寄付するというなどの選択肢もあります。金銭問題は相続の際非常にデリケートな問題になりがちなため、資産金額や家族構成などによっては、遺産の分割方法を決めておく方がトラブル回避になるもしれません。遺産額が相続税の基礎控除(非課税枠)を上回るようであれば、相続税対策も必要です。
このように、資産をリ洗い出しストアップすることで相続対策の第一歩になり、遺言書を書くきっかけなどにもなります。

老後に必要な金額とは?

財産整理の次には、老後資金の確保となりますが、老後資金は貯めておくほうが望ましいとはいえ、目安が分からなければ効率的に貯めることは難しくなります。

一般的に、老後資金の目安は2,000〜3,000万円だと言われたりしますが、これは年金以外の収入がなくなった際に、年金だけではまかないきれない分を指しています。

総務省の家計調査報告によると、
高齢無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の公的年金などの社会保障給付は、1カ月におよそ19万円です。同じく家計調査によると月々の支出はおよそ27万円であるため、不足分は月々8万円程度となります。
年間で考えると、8万円×12カ月で96万円。老後期間が20年で1,920万円、25年で2,400万円となり、これに家のリフォームや医療などの支出を加えると老後資金は3,000万円程度が目安であるといえます。

これは、60歳で定年を迎えることを想定した金額ですが、現在多くの企業の定年は65歳に設定されており、状況によりさらに長く働き収入が得られることもあります。定年が遅くなればそれだけ無職期間も短くなるため、必要な老後資金も少なくて済むことが考えられます。

このように、老後資金は本人の定年前の給与額や貯金、定年の年齢、寿命などによって変わるため、3,000万円はあくまでも目安だといえます。

65歳以上の収入源は、基本的にほぼ公的年金です。公的年金は受け取りを開始する時期によっても支給額が異なります。ご自身のライフプランと照らし合わせ、支給額で生活がまかなえるか早めに検討しておくことが重要です。

デリケートなお金の問題は、家族に共有しておくことがおすすめ

金融資産のリストアップを行い、万一に備えて家族と共有しておくことをおすすめします。
その際、家族に金融資産の詳細や残高のほか、口座のパスワードも記載しなくてもかまいません。残高は預金の引き出しや株価などで変動しますし、残高やパスワードを多くの人が把握しているのは、悪用などのリスクが高くなります。
相続のときには、資産の内容さえ把握できていれば、遺族は残高を調べることができます。ネットバンクやネット証券などは、その存在を家族が把握していないと資産を引き出せないので、口座があることは必ず伝えておきましょう。
資産をリストアップしたあとも残高などは変動するので、資産状況は定期的に確認するようにしましょう。

まとめ

・資産や持ち物の洗い出しを行う
・老後に必要な資金を試算し、準備を行う
・資産が死後も残ることが想定される場合は、遺言書などを作成しお金の流れを明確にしておくと良い

資産額を計算して目的別に分類しておけば、リタイア後のお金に対する不安が解消されるだけでなく、万一への備えにもなります。少しずつでも良いので、資産のリストアップを始めてみてください。

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