終活という活動が浸透し、自身や親の葬儀や供養についても前もって検討をする人が増えています。
終活の活動は、人生のしめくくりを考えると共に、残された余生を充実させることも大きな目的のひとつです。さらに自身の死後に家族が様々なことで困らないように、自分の遺志を伝えるという意味でも大きな役割を持ちます。
終活の内容はこれをしておかなければならない、という決まりは特にありません。自身の想いによって活動の内容は多岐に渡ります。終活という言葉を聞いた時に多くの方がいちばんに思いつく活動は、自身の葬儀についてかもしれません。最近の葬儀場の多くは、生前予約を受け付けています。
また葬儀の際には、喪主の挨拶というのが一般的に取り入れられることが多いでしょう。この葬儀の際の挨拶についてはどんなことが話されているのでしょうか?
今回の記事では、終活の一環として葬儀の際の挨拶についても掘り下げていたいと思います。

終活の必要性について

終活という言葉を耳にした事のある方は多くいらっしゃると思いますが、実際具体的には何のために何をするのかよく分からない、という言葉も聞こえてきます。終活は人生のエンディングを迎えるための活動と漠然と伝わりつつも、明確な定義が無い言葉でもあるのです。
終活は、自身の死と向き合う事で、これまでの人生を振り返りつつ、この先も生活をより充実したものにしていくという前向きな活動です。さらに残される家族の負担を減らしたい、と考える方も多いようです。自身がこの世を去った後に、残される家族のためにしてあげられることは何か?を考えてみると、終活の内容も自分らしいものになるかもしれません。

終活を行う事でのメリットをいくつか考えてみましょう
 ・老後の人生をより充実させる事に役立つ
 ・家族が葬儀や遺産相続を行う際に、自身の意思を明確にしておくことができる
 ・生前の間に手配できる葬儀場やお墓などは、準備しておくことができる
 ・事務的な手続きなどに必要な情報をまとめておき、家族に託すことができる
 ・普段言えないような感謝の気持ちなどをエンディングノートなどに残しておける

などがあります。
終活を始める時期にも特に決まりはありません。興味を持ち始めた時や、必要と感じた時期が始めどきかもしれません。一般的には、身近な人の死に触れる機会などが多くなる70歳前後になると、終活を始める方々が多いようです。終活というと、どうしても終わりに向けての活動という意識を持ちがちで、自分にはまだ早いと思う方も多いかもしれませんが、この活動は30代や40代など若くして意識することも、自分を見つめなおすことにつながり、人生にとってきっとプラスに働く活動となるでしょう。

ひとつ気をつけていただきたいのは、自身の負担になるほど細かく終活を行う必要はないものの、今までの人生を振り返りさまざまなことを準備する行動は、思った以上に体力や判断能力が必要な場合もあります。
自分にはまだ早い。と思わずに、心と身体にゆとりのあるうちに終活を始め、できるだけ長続きさせることも念頭に置いておけると、より充実した終活になりそうです。タイミングに関しては人それぞれですが、健康なうちに終活に関する準備や行動を起こすべきでしょう。
子供が自立したり、仕事を退職したタイミングなども良いきっかけとなるかもしれませんね。

葬儀の流れを考えてみる

人が亡くなってから、葬儀までの時間は思っている以上に短いかもしれません。病院などで亡くなった場合、ご遺体を移す手配などを素早く行う必要があります。
そんな時に、終活を通して事前に葬儀場などが決まっていると、スムーズな手配が可能となることでしょう。残された家族が、大切な人を亡くした直後にさまざまな手配に追われ、気持ちを落ち着かせる暇もないまま葬儀を終えるということは避けてあげたい、と思われる方は是非生前予約などを検討してみてください。

葬儀場が決まると、さまざまな手配は葬儀場も助けてくれることになりますが、喪主が果たすべき葬儀における大きな役割の一つとして、葬儀の挨拶があります。葬儀までの時間も短く、考えることも多い中、挨拶をいくつも考えることは簡単ではないかもしれません。
一般的な葬儀の流れと共に、喪主が行う挨拶のタイミングや、挨拶を行う際に押さえるべきポイントを考えてみたいと思います。

葬儀までの流れ
 1.家族や親戚、葬儀会社への連絡
 2.遺体の搬送、安置
 3.葬儀の日程や内容の決定
 4.納棺
 5.通夜
 6.告別式

 7.火葬
 8.初七日法要、精進落とし

この中で一般的に挨拶が必要となるのは、5.通夜、6.告別式、8.初七日法要、精進落とし の際です。
それぞれ、誰に、どのような挨拶をすべきかを考えてみましょう。

・通夜
通夜では、仏式の場合は読経と焼香が一通り済んだ後に喪主挨拶を行います。お通夜が終了して、通夜振る舞いに移る前が喪主挨拶のタイミングです。弔問者全体に向けて挨拶を行います。
・告別式
受付を開始したら、弔問客に対しても個別に簡単な挨拶を行なえると良いでしょう。
読経や弔辞・弔電の奉読、焼香などが済んだ後は、喪主が弔問客全体に向けて挨拶を行います。
故人のために時間を作って参列してくれた弔問客に対して、故人のエピソードなども入れつつ、自分の言葉で感謝の気持ちを伝えられると想いが伝わるでしょう。
通夜に比べると、告別式の挨拶の内容の方が一般的にボリュームを持たせることが多いようです。上手く話せる自信がない場合は、メモの準備をしておいても問題ありません。
精進落とし
精進落としでは、会食の始まりと終わりに喪主が簡単な挨拶を行えると良いでしょう。精進落としには、親族など親しい人たちが参加しているので、告別式などに比べれば、かしこまった挨拶を意識しなくても良いかもしれません。参加者に対して、葬儀を無事終えられたことや故人との思い出を交えつつ感謝を述べましょう。

挨拶の内容には、
 ・自己紹介(故人との関係性)
 ・参列へのお礼
 ・故人が生前に受けた厚意へのお礼 
 ・故人の生前のエピソードや人柄の紹介
 ・遺族への力添えなどの今後のお願い
などが入れられることが多いようです。
最近は葬儀のあり方もさまざまな選択肢があり、葬儀にも多様化の波が訪れていると言えます。
昔ながらの形式にこだわらず、故人の希望により好きな音楽や映像などを流したり、喪服を着用しないなどの選択をする遺族もあります。
挨拶においても、故人の人柄が弔問客に伝わり思い出を共有することができれば、それは故人にとっての一番の供養になるのではないでしょうか?

挨拶をする際に注意しておきたいこと

葬儀で喪主が挨拶をする際には、いくつか注意すると良い点もあります。

 ・故人への想いが強くても、できる限り挨拶は短めに

  挨拶の長さは、およそ1~3分が目安と言えるでしょう。伝えたい思いをできるだけ簡潔にまとめ、長々と話す
  ことは避けましょう。
 ・忌み言葉に気を付ける
  葬儀の際には、使うことを避けるべき言葉というのがあります。
  重ね言葉、生死に関する直接的表現、不吉なことを連想させる言葉などです。これらを念頭に置いて、挨拶を
  考えておけると良いでしょう。

葬儀に関する基本的な挨拶の注意点などは、葬儀社の方に相談をするのが良いでしょう。
挨拶の内容が決まったら、確認をしてもらうと安心かもしれませんね。

まとめ

人の死のタイミングというのは、誰にも分かりません。心の準備も十分でないまま家族や大切な人が亡くなってしまった場合、大きな心痛の中、葬儀の準備をする苦労は計り知れません。その中でも、挨拶をする機会は何度もあり、喪主にとって想像以上に負担が大きいものです。
基本の定型文やタイミングを念頭に、故人に対する思いを話すことできっと弔問客にも気持ちが伝わることでしょう。
自身の葬儀の際の挨拶についても、紹介してほしいエピソードなどがある場合は、終活の一環として準備をしておくのも良いでしょう。故人が喜ぶような温かい式にできるよう挨拶に臨めると、故人への供養になるのではないでしょうか。

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