終活やエンディングノートという言葉が随分と浸透した世の中になってきました。晩婚化や少子化、おひとりさまなど家族の在り方が多様化するとと共に、ライフスタイルの選択肢も年々増えていっているように感じます。最期まで自分らしい人生を歩みたい、夢の実現のために資金を貯めたい、子育てがひと段落したのでもう一度社会に出たい、など人生のライフプランを色々と考える方もいらっしゃるでしょう。
終活という言葉は、これまでタブー視されることの多かった自身の死について考え、これまでの人生を振り返ると共に、残りの人生をより充実したものとするための活動です。どうしてもメディアなどの影響で、取り組むのは定年退職もした老後というイメージがあるかもしれませんが、終活の活動自体は何歳の方でも始めるメリットはあると言えます。
自分の頭の中にある人生設計を言語化することで、実現に向けてするべきことというのが、より具体的に明確になるのではないでしょうか?

今回の記事では、一見まだ必要では無いと思われそうな40代の方に向けて、エンディングノートの書き方や活用方法などをご紹介していきたいと思います。

エンディングノートの役割とは?

エンディングノートのそもそもの役割は、自分に万が一のことが起こった時に備え、あらかじめ家族やまわりの人に伝えたいことを書き留めておくことです。終活の活動を進める上で、何から始めたら良いのか分からない、というような時も、エンディングノートを使い少しずつ書き出していくと、優先事項や必要事項が見えてくるきっかけとなることも多いようです。

たとえばエンディングノートに記載する一般的な内容には下記のようなものがあります。
 ・葬儀や供養の希望
 ・自身のプロフィールや友人関係、連絡先
 ・終末医療や延命治療、介護の希望
 ・財産について
 ・ペットの引き取り先について

急に病気になったり認知症を患ったりする可能性は誰しもゼロではありません。 そんな時、さまざまな手続きや手配を行うのは家族となることが多いでしょう。判断を迫られた時、本人の希望や意思が残されていたとすれば、家族にとってそれは非常に助けとなります。
また、エンディングノートというのは決まった定型というものは一切ありません。そのため、作成をする時もすべて作成者の自由にすることができます。
お気に入りのノートを選んでみたり、写真と共にスクラップブックのようにするのも素敵です。いつでも加筆修正が気軽にできるように、パソコンやスマートフォンなどを使うのもおすすめです。また、何を書けばいいのか全く分からない、という場合には市販されるいるエンディングノートを選んでみると、項目ごとに記入欄が設けられていることも多いので、進めやすいかもしれません。

また、ひとつ注意していただきたいのは、エンディングノートは遺言書と違い法的効力は持たないということです。エンディングノートには、決まった書式などもなく自由に作成できる代わりに、たとえ遺産相続などのついての記載があったとしても、それはあくまで要望として扱われるのみで法的に有効性はありません。
遺産相続について自身の要望や希望が明確にある場合や、家族間の相続に不安がある状況であれば、遺言書の作成をおすすめします。

エンディングノート作成のきっかけとメリット

ではここで、40代など比較的若いうちにエンディングノートを作成する際のきっかけやメリットについてご紹介していきます。

エンディングノートは何をきっかけに始めたらいい?

一般的にエンディングノートの作成を考えるきっかけには、親しい人の死に直面した時、家族や友人に勧められて、体調を崩し将来について不安を感じることがある、などが多いようです。
しかしエディングノートとは、自分に万が一があった時や、意志が伝えられなくなった時などに思いを伝えるノートです。そう考えると、年齢には関係なく、エンディングノートを知った時が、書き始める大きなチャンスと言えるかもしれません。 

例えば、親にエンディングノートをプレゼントする時に自分の分も購入してみる、親が作成を渋った時に一緒に始めることでお互いのきっかけにする、といったのもおすすめです。 
親と一緒に葬儀の好みについて話し合ったりするのも、お互いの知らない部分に気づける良いチャンスになるかもしれません。
またエンディングノートは、一度書いて終わりではなく、できるならば定期的に内容を見直したり、修正を加えていって欲しいノートです。しかし、定期的にと言われると億劫になり、筆が止まってしまうこともあるかもしれません。
そんな時は無理に続ける必要はありません。例えば年に一回、自分の誕生日や記念日、お正月など日にちを決めてメンテナスをするのも良いでしょう。

40代でエンディングノートを作成するメリットとは?

・自身の過去について振り返ることができる
どちらかというと40代までの人生というのは、子供時代から学生時代、就職、子育てなど人生の中でも非常に慌ただしく過ぎていく期間と言えるのではないでしょうか?人生100年時代と言われる現代では、まだまだここから先の人生は長く続いていくことでしょう。この先の人生について考える時、まずこれまで過ごしてきた時間の中で、やり残していると感じていること、ここまでの経験を活かしこれからやりたいと思っていること、新たに夢や目標を持つ、など人生を振り返りつつ、未来のライフプランに活かすことができます。
忙しく過ぎていく毎日の中でそんな時間を意識して作ることが、より豊かな人生を送れるきっかけとなるかもしれません。

・人生の節目について考えることができる
エンディングノートを作成しここからのライフプランを考える時、恐らくいくつかの節目を設定し計画をたてる方が多いのではないでしょうか?
親が亡くなった時、定年退職した時、子供が成人した時、などです。
このように具体的に項目を挙げてみると、それぞれの節目に必要な自身の行動やお金の流れなどが具体的に見えてくることでしょう。
特にお金の準備などは短期間で行えるものでなありません。昨今は社会的不安から、投資などを検討する人も増えていますが、ここから何年後にいくら必要だ、という金額が明確になると、それに必要なアクションを起こすことのきっかけとなるのではないでしょうか?

・自身の体調や健康状態の変化に気づくことができる
40代に差し掛かると、健康診断や要精密検査に引っかかってしまう方も出てくる年代といえます。そんな時に備えて、是非エンディングノートを活用してみてください。健康診断の結果などをノートに定期的に記載しておくことで、情報を見比べることもしやすく、自分自身の健康状態や持病の数値などを把握しておくができます。健康状態や持病をまとめておくことで、日々の健康管理に役立ってくれるでしょう。
また薬歴なども記載しておけると、もし自身の身になにかあった時、家族が体調を知るきっかけとすることもできます。
まだまだ働き盛りと言える40代。ライフプランを立てる時には、健康というのはかかせません。ぜひそのきっかけにエンディングノートを活用してみましょう。

その他にも、
・入院や介護の希望
・いざという時に知らせて欲しい人の連絡先
・銀行口座や運用資産などの、資産状況

などの情報をまとめておけると安心かもしれません。ただし個人情報などの人に知られてはいけないものは、扱いに十分注意してください。

まとめ

ここまで40代の方が作成するエンディングノートについてご紹介をしてきましたが、エンディングノートの内容というのは、独身か既婚かでも変わってくるものと言えるかもしれません。
既婚の方が作成するエンディングノートは、自身の今後の人生についての計画と共に「残された家族のため」に作成するという意味合いが強いでしょう。
独身の方の場合は、自身がもしもの時に誰か頼れる人はいるのか、今の人間関係を一度確認する必要もあるでしょう。頼れる方がいない場合は、葬儀や供養についてより具体的に検討し、「生前契約」も視野に入れる選択もあるでしょう。もしもの事だけではなく、元気な間でも様々なサポートが受けられるよう、体制を整えるきっかけとしてエンディングノートを活用するのもおすすめです。

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