終活という言葉が浸透し、その取り組みに興味を持ったり取り入れたりする方も随分増えてきたようです。終活とは、これまでの人生をふりかえりながら、ここから先の暮らしをより良いものにしていくという前向きな活動です。自身の死と向き合うため、ネガティブなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には人生を楽しく過ごすためのポジティブな取り組みなのです。
終活の内容は、個人の想いや考えにより多岐に渡ります。相続について、葬儀について、お墓についてなど、自身が興味を持てることから始めるのが長続きの秘訣かもしれません。
今回の記事では、最近では事前予約も珍しくなくなった葬儀について考えていきたいと思います。葬儀には、花がかかせないものと言えますが、どんな基準で選ばれているのでしょうか?終活を取り入れるメリットと共に、葬儀に関する花の色取りや選ぶ際のポイントなどについてご紹介していきます。
終活を取り入れるメリットとは
最近よく耳にする機会も多い終活という言葉ですが、どのような意味があり具体的には何をするのでしょうか?
言葉だけを聞くと暗いイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際のところ終活という活動の目的は、これまで歩んだ人生を振り返り、気持ちの整理をしながら残された人生をより充実したものにするための前向きな活動なのです。
具体的には、介護や医療の要望えをまとめておいたり、葬儀やお墓の希望や考え方を伝える、財産の相続を円滑に進めるための準備をしておけると安心です。そしてそれが残された家族の負担を減らすことに繋がります。
特に財産に関しては遺言書を作成し準備をしておけると、家族間の相続トラブルを回避することに繋がります。
昔は家族や地域とのつながりが強く、葬儀などの準備も周囲と協力をして進めていける環境がありました。最近は核家族化や晩婚化、熟年離婚など、ライフスタイルの多様化などもあり、事前に準備をしておけると安心、というような流れができてきています。
家族や周囲に迷惑をかけることなく最期を迎えるためには、最低限の知識を身につけ自身で取捨選択していく必要もあるでしょう。家族の負担を減らすために、自分の希望や要望を事前に決めて伝えておく、それが終活が広まるきっかけのひとつとなりました。
一度にすべてのことに取り組もうと思うとハードルが上がってしまうので、自分にとって優先順位の高いところから少しずつ始めていくことがおすすめです。
始めるきっかけは、退職や還暦など人生の大きな節目のほか、身近な人の死に接することで興味を持ち始めるケースが多いようです。
また配偶者や子供から、万一の段取りについて準備を提案してみるのも良いかもしれません。
自身の葬儀について考えてみる
子どもに迷惑をかけたくないので、自分のお葬式は家族葬にしたい、など生前のうちに自身の葬儀について希望をまとめておいたり、葬儀社に相談をする人も増えてきました。
その気持ちの裏側には、自分のお葬式で手間やお金といった負担を、できるだけ家族にかけさせたくないという親心がある方も多いのではないでしょうか。
臨終後葬儀までの間は、悲しむ暇もないほど短い時間の中であらゆる準備や手続きに追われるのが現実です。大切なご家族にそのような負担をかけたくないと思うのはごく自然なことです。
葬儀の際に検討しなければいけない項目にはどんなものがあるのでしょうか?
いくつか考えてみたいと思います。
・葬儀のスタイル
これまでは通夜と告別式の2日間に参列してもらう一般葬と呼ばれるものがスタンダードでした。
しかし多様化の波は、葬儀にも訪れています。家族や近親者のみで小規模で行う家族葬や、通夜をせずに告別式のみの一日葬、火葬のみでお別れする直葬などさまざまな形式があり、選択する自由があります。それぞれの形式にメリット、デメリットがあると思いますので、自身や家族の希望や要望に合うものを検討しましょう。
・葬儀の規模
誰に参列してもらうかも故人にとって大切なことになるでしょう。家族だけに見守られて営んでほしいのか、友人・知人の他、ご縁のあったできるだけ多くの方に参列してもらいたいのか、参列者数にあわせた葬儀の規模を設定することで、会場はある程度絞られてくるでしょう。
・葬儀の会場
葬儀の会場に基本的に決まりはありません。公営や民営の葬儀場のほか、自宅や菩提寺などの寺院などが多いかもしれません。それぞれの会場の特徴を把握して検討するのが良いでしょう。
・祭壇やお花、棺について
葬儀における祭壇は、いわばそのお葬式のシンボルとも言えるものでしょう。またご遺体を納める棺なども、素材や価格の違いにより準備をされています。予算と相談しつつ、故人や家族の要望に合うものを選びましょう。
・演出
最近の葬儀では、故人の生前の希望などによりさまざまな演出をすることもできます。好きなミュージシャンの音楽を流したい、趣味の品を展示したい、思い出の写真をスライドにして流してほしい、などです。実現したい演出がある場合は、生前のうちに可能かどうか葬儀社へ確認しておけると良いでしょう。今ではほとんどの葬儀社が生前予約や相談を受け付けています。自分らしい最期を迎えるために、きっとサポートしてくれるのではないでしょうか。
・費用
葬儀については、大まかでもいいので予算を決めておくと安心でしょう。ある程度予算を決めた上で、葬儀社に伝えてプランを立ててもらうとスムーズかもしれませんね。葬儀は思っている以上高額になることもあります。生前の間にざっくりとでも費用を把握できていると、安心できるのではないでしょうか。このほかにも多くのことが生前予約で決められます。葬儀社と十分に相談し、希望するお葬式の内容で予約しましょう。
葬儀の供花について
供花とは、葬儀で故人に供えるお花のことを言います。
供花は一般的に、親族や友人など生前に故人と親しかった人たちや葬儀に出席できない人などから送られます。供花には故人の霊を慰めるという意味と共に、送る人のお悔やみの気持ちを表す意味があります。
また花で祭壇や会場を飾る働きもしています。供花は一般的に、祭壇から故人と関係が深い順に並べて飾ります。
供花を手配する際は下記の流れが一般的でしょう。
1.遺族の了承を得る
2.葬儀社に連絡する
3.葬儀場名や葬儀日時、喪主、供花の種類、氏名などを伝える
お悔やみの気持ちだからと、勝手に供花を手配して送りつけるのはマナー違反です。気をつけましょう。故人や遺族の勤め先など法人で供花を送る場合も、基本的に流れは同様です。
供花は通夜の3時間くらい前までに届けられるように手配できると安心です。
宗教別の供花の選び方について
・仏式葬儀
菊をベースとした白・黄色・紫色が基調としたものが、日本では古来から親しまれていると言えます。
また菊の花はが日持ちするため、数日かかる葬儀の場にも適していると言えます。また最近ではカーネーションや
高級感のある胡蝶蘭が用いられることもあります。
・神式葬儀
神式の際の供花も、ほぼ仏式と同様と考えましょう。以前は榊が用いられることも多くありましたが、最近では
喪主が榊をお供えする傾向にあります。
・キリスト教式
キリスト教の葬儀でも花を送ることは一般的ですが、教会などの葬儀場へ手配するのではなく、故人の自宅へ
送るのが良いでしょう。花は明るい白やピンクなどの色が好まれます。キリスト教の葬儀は生花が基本です。
まとめ
葬儀を生前予約する際のポイントや供花についてご紹介してきました。最近は自由葬などを選択する人も増え、色や種類に関係なく故人が好きだった花を選ぶ人も多いようです。
また、遺族の意向などで供花を断られる場合もあるでしょう。問い合わせた際に断られたり、辞退する旨の記載などがある場合は、供花を出すことをはとりやめましょう。
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