近年、終活の一環として結婚をする方が増えて来ています。
これは「終活婚」と言われ、終活婚を目的としたバスツアーが開催されたり、終活婚を題材にした漫画が発売されるなど、関心が高まってきています。
人生の最期をどう過ごしていくかを考えることと、パートナーを探すことは一見すると相反することのように思われる方もいるかもしれません。
しかし、少子高齢化が進み、老後の生活が長くなった現代において、このような活動は非常に大切なことです。

今回は、この終活婚について解説していきます。

終活とは

高齢夫婦

終活とは「自らの人生の終わりに向けた活動」の略語で、自分自身の葬儀・お墓・遺言書の準備や、相続・身の回りの生前整理などを行うことを指します。

終活と聞くと、「人生の終わり」を意識するような言葉と考える方が多いと思います。
しかし、現在では、人生の終わりについて考えることによる「今をより良く生きる為の活動」という前向きな意味に変わってきています。

終活婚とは

手を繋ぐ高齢夫婦

終活婚とは、終活のために新たなパートナーとする事を言います。
主に、未婚者やパートナーと離別・死別された40~70代の世代の方の中で婚活を行っている方が増えています。

終活婚が増えている理由

統計の棒グラフ

一人で人生の最期を迎えることが寂しい

現在の日本において、単身世帯が増加しています。
総務省の統計では、2015年の65歳以上の単身世帯は約592万世帯となっています。
2000年の65歳以上の単身世帯が約303万世帯なので、15年の間に約2倍に増加したことが分かります(内閣府「令和元年高齢社会白書(全体版)」)。

同時に平均寿命が伸び、老後の生活が長くなっています。
厚生労働省の調べでは、2020年の日本人の平均寿命は女性が87.74歳、男性が81.64歳で、いずれも過去最高を更新しました。

このように、これまでよりも長期間になった老後生活を、一人で過ごしていくことに寂しさを感じる人が多くなってきています。
老後も、趣味や仕事の関係で多くの人と繋がりがある人はさほど多くなく、そのような付き合いも徐々に少なくなっていくでしょう。
そのようなときに、常に一緒にいてくれるパートナーがいることはとても安心できることでしょう。

病気や介護の不安

年を取れば誰もが心身に衰えを生じ、病気や介護のリスクが高まります。
「健康寿命」という言葉をご存じでしょうか。
これは2000年に世界保健機関(WHO)により提唱され、「心身ともに自立し、健康的に生活できる期間」のこと、つまり病気やけがなど無く、自立した生活が送れている状態のことを指します。
厚生労働省の発表によると、2016年の健康寿命は、男性が72.14歳、女性が74.79歳となっております。
その年の平均寿命から健康寿命を差し引くと、男性=8.84歳、女性=12.35歳となり、この期間が不健康期間、つまり病気や介護になる期間と言うことになります。
必ずしもそうなるとは限りませんが、可能性が高いため、予め備えは必要です。

このような状況に対して、生涯一人でいることに不安が生じて、終活婚を望む方が増えています。

終活婚を進めるポイント

POINTの文字と指

自分から積極的に動く

終活婚を望まれるのであれば積極的な行動を取ることが必要です。
異性の方と出会う場に自ら参加していきましょう。

結婚相談所や婚活サービスを行っている企業は増加しており、中高年やシニア向けのサービスも増えてきています。
同じ目的・境遇の人々が集まるため、共通の話題が見つけられ、気軽に相談もできるでしょう。
様々な話しをする中で、ご自身の不安な気持ちが解消されることも期待できます。

また、結婚に至らなかったとしても、友人関係になることも多いようです。
交遊の和を広げるためにも、こういった婚活イベントに積極的に参加しましょう。

ご自身のことをオープンにする

一生涯をともにするパートナーを探すためには、ご自身のことをオープンにして話していきましょう。
これは、結婚相手にも求めたい条件です。

若い世代とは異なり、中高年やシニア世代が抱えている問題は様々です。
例えば、「親や家族の介護」「子どもの同意」「遺産相続」など、若い世代にない問題を持っている方も多いです。

これらの問題を明かさず、結婚後や死後に発覚するとトラブルに発展します。
真剣にお付き合いをしたい方には、抱えている問題がどのようなものかを認識してもらいましょう。
そのうえで信頼関係を構築し、お付き合いできるかどうかを判断する事が大切です。

価値観を改める

終活婚において大切なことは、「お互いを尊重すること」です。

もし、「男は仕事で女は家事」という考えをお持ちであると、理想のパートナーと結婚することが難しくなるでしょう。
ご自身の希望は大切ですが、そのような価値観を相手に求めすぎてしまうと、結婚後に不仲になる原因になります。
どうしても譲れないものがある場合には、結婚前には必ず相手の理解を得るようにしましょう。

まとめ

  • 終活婚とは、終活のために新たなパートナーとする事を言う。
  • 40~70代の世代の方の中で終活婚を行っている方が増えている。
  • 終活婚をする理由は、一人で人生の最期を迎えることが寂しい気持ち、病気や介護に対する不安がある。
  • 終活婚を進めるうえで大切なことは、自分から積極的に動く、自分をオープンにする、価値観を改めることが挙げられる。

Good Endingでは、終活の専門家がチームでご相談者様のお悩みを解決致します。
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