ご自身の老後に対する様々な備えを行う「終活」。
最近ではテレビ・雑誌・映画や書籍など、多くのメディアで取り上げられ、実際に取組み始める方も増えてきています。
終活の中でも重要なテーマとなるのが「お墓」です。
ご自身が亡くなった後、誰が管理していくかを決めておかないと、将来的に「無縁仏」となってしまいます。

今回は、無縁仏にならないための対策について解説していきます。

無縁仏とは

無縁仏となったお墓

無縁仏とは、故人を供養をする人がいなくなったお墓のことを指します。
お墓参りをした際、管理がされていない古びたお墓を目にしたことがあるかもしれません。
それらが無縁仏と呼ばれるものです。

また、親族などの供養ができる方がいたとしても、遺体の引き取りを断られた場合も無縁仏とされます。
現代は少子化や核家族化、親族関係の希薄化によってお墓を継ぐ人もおらず無縁仏が増えています。
少子高齢化を背景に、今後も無縁仏の数は増加することが予想されます。

無縁仏になるとどうなるのか

夕暮れの墓地

無縁仏は前述したように、お墓を供養する人がいない場合と、遺体の引き取り手がいない場合とに分けられます。

お墓を供養する人がいない場合

墓の管理費が一定期間支払われない場合、その墓にある遺骨が取り出され、別の場所に移されてしまいます。
このような場合には、無縁仏となった遺骨は無縁仏を祀る施設や無縁墓に合祀されます。
ただし、合祀にかかる費用はその墓地の管理者、もしくは自治体が負担するため、遺骨の一部のみを取り出して合祀するか、粉々に砕いて小さくした状態で合祀されます。
無縁仏が増加したことにより、合祀管理するスペースにも問題が出てきています。

なお、合祀後に引き取り手が現れたとしても、原則として遺骨を取り出すことはできません。

遺体の引き取り手がいない場合

引き取り手のいない遺体に関しては、地方自治体が引き取り、葬儀を行うことになります。
葬儀内容は、火葬し、遺骨を行政が管理する無縁墓地へと移すのみです。
無縁墓には、血縁関係がない全くの他人の遺骨も合祀されています。

お墓を無縁仏にしないための方法

お墓の管理について話し合っている家族

親族へ確実に依頼する

お墓を引き継いでくれる親族がいる場合には、きちんと依頼をしておきましょう。
依頼する際は、お墓の管理費の支払いやお墓参り、法要への参加などが必要である旨をきちんと説明し、納得した上で依頼をしましょう。

永代供養を依頼する

永代供養とは、お墓参りや管理ができる親族がいない場合に、霊園や寺院がご遺骨を管理・供養してくれる埋葬方法のことです。
永代供養と間違われる言葉として「永代使用」があります。
これは、墓地の一定の区画(お墓用の土地)を永代にわたり使用できることを言います。
お墓を建てる場合には、墓地を永代使用する権利(永代使用権)を購入する事になります。
永代使用の場合、お墓の管理をする人がいなくなった場合には、墓地の永代使用権を返還しなければなりません。

お墓を初めから所有していない場合や、引き継いでくれる人がいない場合には、生前に永代供養を依頼しておくと良いでしょう。
一般的には、33回忌や50回忌まで供養してもらえることが多いです。
その後は、永代供養墓に移されて供養が行われます。

墓じまいを行う

墓じまいとは、墓石を撤去し、墓所を更地にして使用権を返還することです。
お墓を新たに建てる計画が無い場合や、既にあるお墓を引き継いでくれる人がいない場合に行われます。
墓じまいをした場合の遺骨の扱い方には次のような方法があります。

まとめ

  • 無縁仏とは、故人を供養をする人がいなくなったお墓または、ご遺体の引き取り手がいない方のことを言う。
  • 供養する人がいない場合には、無縁墓に合祀され、血縁関係の無い方のご遺骨と一緒になる。
  • ご遺体の引き取り手がいない場合は、自治体が引き取り、最期は無縁墓に合祀される。
  • 無縁仏にしないための対策として、親族にお墓の管理を確実に引き継ぐ、永代供養を行う、散骨を行う

少子高齢化などを背景に、頼れる親族がいない「おひとりさま」高齢者が増加し、無縁仏はさらに増加していくでしょう。
きちんと対策をしておかないと、お墓の管理者に迷惑をかけたり、法要してもらえない可能性もあり、注意が必要です。

Good Endingでは、終活問題に精通した専門家が、チームでご相談者様の問題解決に取り組みます。
お墓を始め、終活問題でお悩みの方は、是非一度ご連絡ください。