「終活」という言葉がすっかり定着した今、幅広い世代の人々が終活に関心を持っていることでしょう。
以前、40代の終活についてお話しましたが、 終活は30代から動き始める人々もいるようです。
30代で終活を始めるべき理由とそのメリットを解説し、具体的に終活としてどんなことをすればいいのかを詳しくご紹介します。

終活は30代からでも早くない?!

終活を始めるのに早すぎるということはありません。若く健康であっても、いつ何が起こって死を迎えるとも知れず、事故や病気などで自分の意思を伝えることができなくなる可能性も否定できません。なので、毎回いっておりますが、このような万が一の事態を想定すれば、終活は思い立った時に始めるのが正解であります。

終活に最も関心が高いのは30代

終活をする意向が一番強いのは、意外にも30代であることがわかっています。
楽天インサイトが2019年4月に行ったアンケート調査の結果によると、「終活」をする意向がありますかという質問に対して、「はい」と回答した人の割合は、調査対象となった20代から60代のうち30代で最も高く、46%でした。前年度の結果(36.3%)と比べると実に10ポイント近く増加しており、30代の人々の終活への関心が大きく拡大していることがわかります。

現代の30代は、結婚や出産、昇進、転職など、様々なライフイベントを経験する立場であり、人生の分岐点と言える時期にあります。このような重要な時期であるからこそ、終活をきっかけに人生を振り返り、あらためて将来設計を行うのに最適の時期とも考えれることができます。

30代で終活を始めるメリット

残りの人生でしたいことが明確になるというメリットがあります。仕事でも家庭生活でも大きな変化が起こりがちな30代の時期にあらためて自分と向き合い、この先自分が何をしたいのかをはっきりさせることで、迷わずに大きな決断を下せるようになるのではないでしょうか。
これからどう生きたいかが決まれば、それに沿った現実的なライフプランの見直しもできるようになります。目標や老後生活に向けて資産を管理し増やしていくため、資産運用を始めるきっかけにもなるでしょう。

エンディングノートの準備

エンディングノートとは、自分にもしものことがあった場合に備えて、自分の希望や家族に伝えたいことをまとめておくノートのことです。遺言書とは違って法的拘束力を持つものではなく、個人情報や財産についての情報、終末期に受けたい治療や葬儀についての希望などを記録するのが目的です。
ここで、現状を見つめなおすことができます。

今後の人生設計と資産設計

そして、次に、残りの人生をどんな風に生きたいのかを考え、そのための人生設計を進めていきます。

まずは、自分がやりたいことのリストアップから始めると良いでしょう。リストができたら優先順位をつけて、何を何歳ごろで実現したいかを考えながら、ライフプランに落とし込んでいきます

人生設計では、それぞれのライフイベントにどのくらいのお金が必要になるかを見積もることが重要です。必要資金にもとづくキャッシュフロー表を作るとよいでしょう。その他に、子育て費用や家のローン、老後生活やお墓、葬儀などの支出も忘れずにプランに入れてください。

キャッシュフロー表を作ると、いつどのくらいの資金が必要になるかがはっきりします。もし金銭的に無理のあるライフプランになっていればもう一度見直し、やりたいことを絞り込む必要があるかもしれません。その他、手持ち資金を増やすための資産運用や節税、加入している保険の見直しなど、資産設計も具体的に進めていきましょう。

デジタル情報の整理

SNSのアカウントや定期課金サービスの利用状況とパスワードをまとめておき、その中で必要のないサービスがあれば、すぐにでも解約しましょう。

  • インターネットバンキング(銀行)
  • お買い物サイト
  • 月額サービス
  • ネット決済サービス
  • LINEやSNS

など、WEB関係の整理は、第三者では分からないことが多すぎますので、一覧で残すことをオススメします。

一覧にして残すことで、自分自身も現在利用しているWEB関係のサービスを把握することが出来ますので、これを機にやってみて損はないかと思います。

自分の死後に残された遺族に負担をかけずに済むようにしましょう。

生前整理

『生前整理』は言ってしまえば、何を残すかを考える作業、すなわち 『 断捨離 』 です。

日頃から片付けをしている人は良いのですが、そうではない人は一度『自分にとって大切なものは何だろう』と考えながら断捨離を行ってみることをオススメします。

断捨離の意味は、

  • 断・・・いらないものが入ってくることを断つ
  • 捨・・・不要なモノを捨てる
  • 離・・・様々なモノへの執着から離れる

不要なものを家からなくすことで、もしもの時、遺された家族の負担を減らすことが出来ますし、自分の大切なものに囲まれたお部屋というのは、なんとも居心地の良いものです。生前整理では、『何を捨てるか』ではなく『何を残すか』を考えるのがポイントです。残ったものから、自分がどう生きたいか見えてくることもあるでしょう。

まとめ

30代で終活を始める場合は、無理なくできることころからで十分です。エンディングノートや断捨離、デジタル整理などを少しずつ始めてみてください。

また、自身の終活を考える際に、親の終活も考えられます。若いうちから終活に興味をもてれば、親に万が一のことがあったときにも役立つ知識を得られるでしょう。


若いうちから終活に取り組むことで、今の状態をきちんと把握し、現実に即した将来設計をすることにつながります。