本日は、実際に弊社に依頼された方の内容をご紹介致します。

ご相談内容

希望:姪っ子さんに財産を渡したい
   葬儀・納骨の手配をお願いしたい

ご相談者様は高齢者施設へ入所されており、外出が難しい状況でした。弊社では、ご相談の際、ご相談者様に事務所へお越し頂く以外にも、担当者がお伺いする事も可能です。今回のケースでは、高齢者施設にお伺いし、打ち合わせをさせて頂きました。

具体的な流れ

実際にどのような流れで進めたかは以下の通りです。

①初面会とヒアリング

②委任契約締結

③葬儀打合せ・手配

④納骨打合せ・手配

⑤遺言書原案作成

⑥公正証書遺言書作成

それぞれ詳しく見ていきます。

初面会とヒアリング

1.財産を渡したい相手の確認

弊社担当者2名でお伺いし、まずはご本人の希望をヒアリングさせて頂きました。
ご本人には姪がおり、この方に財産を渡したいとの希望がありました。
姪は相続に関しては、第3順位となり、他に法定相続人(子供または父母)がいる場合には、財産を受け取る権利はありません。

この場合には遺言書の作成が必要になります。

遺言書を作成するにあたっては、遺言書作成者に法定相続人が居ないか否か、把握する必要がありますので、予め戸籍を収集し、相続人を確定させることで、トラブルを防ぐことが出来ます。

2.財産内容の把握

財産を渡したい相手が確定したら、次に、財産の把握が必要です。
遺言書を作成する場合には、財産を特定させる必要があります。
特に気をつけなければならないのは不動産です。

今回のご相談者様のケースでもありましたが、ご本人様がご両親から相続をした土地の存在を忘れてしまうケースがあるのです。その場合、いざ、相続の場面になったときに、相続人が予期していない相続が発生し、トラブルになる可能性があります。

例えば、更地であれば、手入れをしないと雑草が生え、隣地からクレームが入る場合があります。
その場合、所有者が剪定業者を手配する必要があり、相続人に予期せぬ負担を強いる可能性があります。

そうならないためにも、不動産の存在は明確にしておく必要があります。

その際に役に立つのが「名寄帳」です。これは、市町村ごとに作成されるもので、自分が当該市町村で所有している不動産の一覧を確認できるものになっています。

名寄帳は市町村の窓口で申請・入手可能です。

これを入手することで、申請した市町村ごとにどのような不動産を所有しているか分かります。

このようにして、自分が所有している不動産を把握できたら、誰にどのように渡したいかを決めていきます。

その内容を遺言書に明記して初めて有効な内容となります。

3.葬儀に関するヒアリング

葬儀に関してはご自身で既に内容をお決めになっており、近隣の葬儀社と契約も済んでいる状態でした。

しかし、現在のお気持ちを確認したところ、当時とは異なり、少人数の家族葬で十分であり、内容を変更したいとのことでした。葬儀といえば従来では友人知人やご近所さん、お世話になった方々など多くの方が参加することが当然でした。そのため葬儀内容も豪華であり大きな会場に多くの参列者が当たり前のように風習としてありました。

しかし現在は本当に親しい少人数だけで行う家族葬や葬儀自体も行わない直送という方法も選ばれるようになってきました。以前ほど葬儀は大々的で豪華なものではなく本当に必要最小限のものだけが求められると言う流れが見て取れます。

今回のご相談者様に関しても同じく、家族のみで少人数の参列を希望しており、そのように変更したいというお申し出でした。

このようにご本人の希望はその時の状況によって異なってくるため、しっかりとヒアリングをしてその方が今どのような希望なのかをきちんと把握するように努めることが大事であると思っています。

4.納骨に関するヒアリング

ご本人の希望を聞いたところ、3カ所のお寺にそれぞれ分骨をしたいという希望がありました。
分骨とは納骨を分けて行うことです。

終活というと、このように多くの事柄を含んでいますが、弊社では一つ一つ丁寧にヒアリングをして、希望に添う形でご提案できるように最善を尽くしてまいります。

今回のご希望者様に関しても希望内容に添えるよう各お寺に確認の上、進めていくことになります。

委任契約書の締結

ご本人のヒアリングが終わったら契約書の締結になります。

ヒアリング内容を明記しそれ以外の重要事項や報酬など大切な事柄を記載いたします。

内容をご本人に確認頂き、きちんとご納得いただいた上でサインを頂くことになります。

この際ご高齢の方に関してはなるべくご家族の方に同席いただくようにお願いをしております。

今回に関してはお近くに住む姪っ子さんに同席いただきご一緒に契約内容を確認していただき、その上で契約締結という運びとなりました。

このようにすることで、ご本人だけでなくご家族も安心して弊社に任せていただくことができます。契約書は2部ご用意しそれぞれにサインを頂いた後、一つをご本人の控えに、もう一方を弊社の控えとして保管させていただきます。

葬儀打合せ・手配

家族葬にしたいというご本人の希望を叶えるべく、弊社で葬儀社と連絡を取り打ち合わせをする期日を設定致しました。

ご本人が入所する高齢者施設にて葬儀社のご担当者様に来所いただき、当初の契約内容の確認と、現在のご本人様の希望をお伝えいたしました。

その後葬儀社から見積もりを頂き結果的には20万円ほど当初よりも安い葬儀内容が組むことができました。ご本人の希望も叶えられ、また予算も削減できたということで、非常に喜んで頂けました。

納骨打ち合わせ・手配

3カ所への分骨を希望されていました。

各お寺に確認したところ、2カ所に関しては納骨を受け入れていないお寺だということが判明いたしました。結果的には全ての遺骨を一カ所のお寺へ納骨するという内容になりました。
その際、ご本人の地元にある同じ宗派のお寺を通して納骨の手続きをする必要がありました。

このように納骨に関しては各お寺・宗派で様々な決まり事があります。

一つ一つ丁寧に確認して進めていかなければならないため、ご本人にとってはとても負担になります。
また、実際に納骨をする際、地元のお寺の住職様が納骨先のお寺まで遺骨を運んで頂けることも判明いたしました。

これもお寺・宗派によって違うと思いますが、ご家族がお持ちするのが難しいと言う場合には、一度お寺にご相談するのも良いかと思います。場合によっては今回のように住職様が遺骨を運んで頂ける可能性があります。

遺言書の原案作成

ヒアリング内容をもとに遺言書の原案を作成していきます。

今回は公正証書遺言という形になります。

これは公証役場にて公証人の方が作成する遺言書になります。この作成方法は偽造や紛失の恐れがなく、不備によって遺言書の内容が無効になる可能性も防ぐことができます。
作成にあたっては弊社の担当が直接公証役場に出向き、ご本人の希望、相続人、財産内容などを伝える必要があります。またこの際、戸籍謄本や住民票など、提出が必要な書類もあります。

ご自身でやられる場合にはきちんと公証役場に必要な書類や情報を必ず確認してください。ここで公証人に伝えた内容や書類をもとに遺言書の原案が作られます。

完成した原案は弊社に送られ、それをご本人に確認していただく流れとなります

公正証書遺言書作成

原案が作成したらいよいよ公正証書遺言の作成本番です。
今回はご本人様が高齢ということとで、本来であれば公証役場に出向かなければなりませんが、出張という扱いで交渉人に指定した場所まで来ていただくことになりました。
この場合、公証人に支払う遺言作成に関する費用が割高になるため注意して下さい。

実際の作成の流れですが、ご本人・公証人そして二人の証人の計四人で作成を行います。

公証人が遺言の内容に関して、遺言作成者であるご本人に質問をしながら遺言書の内容を確認してきます。ここで遺言書の原案とご本人の回答の内容が異なる場合、遺言書の作成が中止されることがあります。
作成前にはきちんと内容の確認をしておきましょう。確認が終わったら、証人二人とご本人が署名し、最後に公証人が署名することで公正証書遺言書が完成となります。原本は公証役場が保管し、控え二つをご本人と弊社とでお預かりすることとなります。

最後に

ここまで、実際の終活に関するご相談と、弊社がどのように関わってきたかをお伝え致しました。本来、これらはご本人ないしご家族が進める内容となりますが、慣れていない方が多く、かなりの時間と労力が取られます。専門用語も多く出てきますので、専門家に依頼することで、スムーズに進めることが出来ます。そのような場合には、是非弊社にご相談下さい。