終活とは、自分の亡くなったあとの準備という意味だけで無く、老後の人生をより良くするためという意味も含まれています。
終活をしているかどうかで、自分や家族の将来が大きく変わることがあります。
終活をするうえで、自身の「死」について考えなければいけないため、どうしても行動に移すことを躊躇してしまいがちです。
しかし、終活をやり終えた方は、その後の人生を充実したものにする事が出来るのです。
将来を考えるたびに感じていた漠然とした不安を解消することができ、終活をしておいて良かったと感じる方が圧倒的に多いです。
今回は、終活の中でも、「相続」に関する項目を挙げ、準備すべき事や、トラブルを防止するポイントについて解説していきます。
終活でやるべき事とは
終活でやるべき事としては、大きく分けて次の8項目があります。
- エンディングノート
- 生前整理
- 葬儀・お墓の準備
- 財産整理
- 医療・介護の希望
- 遺言書作成
- 不要なサービスの解約
- デジタル終活
これらは本人しか情報を把握していなかったり、本人の意思がとても重要になります。
認知症などで判断能力が無くなった場合や、急にお亡くなりになる場合など、いつ何時どのような事態になるか分かりませんので、早めに準備しておく必要があります。
終活における相続対策とは
では、終活において、相続対策としてどのような準備をしておけば良いでしょうか。
一般的な相続準備だけでなく、終活という視点でもオススメする対策をご紹介していきます。
エンディングノート作成
エンディングノートとは、もしもの場合に備えて、家族や周囲の人に伝えておきたいことを書き記しておくノートのことです。
エンディングノートには、何でも自由に書くことが出来ます。
前述した8つの項目以外にも、大切な人へのメッセージや思い出の写真を載せるなど、自由に書くことが出来ます。
★エンディングノートの書き方についての詳しい記事はこちら
→ エンディングノートの目的と内容について
エンディングノート作成にあたっては、保有する資産の情報を整理したり、大切な人への思いが明確になるため、どの資産をどのように配分するかを考える際の重要な情報となります。
ただし、エンディングノート自体には法的拘束力が無いため、例えば財産分与の方法などについて記載されたとしても、必ずしもそれが実現されるとは限りませんのでご注意ください。
確実に実現するためには、このあとご紹介する「遺言書作成」が必要となります。
生前整理
生前整理とは、自分が元気なうちに財産や持ち物を整理し、亡くなった後に遺族が処分に困らないよう対策しておくことを言います。
生前整理は、自分が亡くなった後のためと思われがちですが、それだけではありません。
介護施設への入所や子供と同居する場合、家の中を整理する必要があるため、事前に整理しておくことで、いざという時に慌てずに済みます。
生前整理をする中で、本人も把握していなかった資産が出てくる可能性があります。
相続税対策をする上では、資産の把握は必要不可欠です。
事前に整理しておくことで、後々になって新たな資産が発見され、相続税対策をやり直す…といった手間も省くことができます。
相続税対策
エンディングノート作成と生前整理によって必要な情報が整理されたら、相続税対策に進みましょう。
ここでは、どのような流れで進めていくかを解説致します。
1.財産把握
整理された情報をもとにして、現在の財産情報を把握しましょう。
特に次のような財産は、その金額・価値をしっかり把握しておきましょう。
- 預貯金(銀行口座)
- 不動産(土地・建物)
- 有価証券(株式など)
- 生命保険
- 借入金・ローン
把握しておくものは、借入金・ローンなどのマイナスの財産も含みます。
これを知らずに相続が行われ、後に判明した場合はトラブルのもとになります。
必ず把握するようにしましょう。
2.相続人の把握
実際に相続が発生した場合に、誰にどれだけの財産が分配されるかを明確にする必要があります。
相続人の数によって相続税の計算結果も異なりますので、必ず行うようにしましょう。
3.現状の相続税の計算
把握した全ての財産、相続人の情報をもとに、相続税の計算を行います。
4.財産配分割合を決める
誰にどの程度の財産を相続させるかを決めていきます。
5.それぞれの総則税額の計算
財産配分割合が決まったら、財産を受ける人ごとに相続税を計算していきます。
6.相続税対策
それぞれの相続額が計算できたら、どのような相続税対策を取るか決めていきます。
対策方法は様々あり、例として以下のようなものが挙げられます。
ケースごとに、最適な方法を選んでいきます。
- 生前贈与
- 教育資金の一括憎悪
- 生命保険の非課税枠
- 養子縁組
- 小規模宅地等の特例
遺言書作成
自分が亡くなった後の財産の分け方を指示する役割を果たすのが遺言書です。
遺言書があることで、相続人同士の争いを防ぐことができます。
遺言書は3種類あり、それぞれ書き方が決まっています。
書き方を間違えると無効となりますので注意が必要です。
作成の際には行政書士などの専門家に相談すると良いでしょう。
★遺言書についての詳しい記事はこちら
・「自筆証書遺言」について知りたい
→ 書いた遺言書が無効に!?必ず守るべき自筆証書遺言作成ルールがあります!
・「公正証書遺言」について知りたい
→ 無効の心配が無い!トラブル防止にも役立つ「公正証書遺言」の作成流れについて
・「秘密証書遺言 」について知りたい
→ 遺言書の中身を秘密にしたい!秘密証書遺言のメリット・デメリットと作成流れについて
困ったら専門家を頼りましょう
相続は専門知識が必要なため、ご自身だけで進めることが難しい分野になります。
相続税の計算間違えや、相続税対策手段の選び間違えなどが生じるおそれがあります。
Good Endingでは、税理士を初めとした各分野の専門家がサポートする体制を整えております。
お困りの際は是非一度ご相談下さい。