終活を考えたときに皆さんが
一番に始めたいことは「断捨離」= (生前整理) ではないでしょうか?
クローゼットや押入れ、納戸や倉庫に物があふれている方は、早急に取り掛かることをおすすめします。
ただし、無計画に進めるのは失敗の元です。
今日は、終活における断捨離についてのメリットや注意点を紹介します。
終活での断捨離とは
シニア世代は、なかなか物を捨てられず、さまざまな物を溜め込む方も多いのではないでしょうか。
持ち家暮らしが長い方や、しばらく引っ越しをしていない方は心当たりがあるかもしれません。
日常的に使用する物は身近にあるごく少数の物に限定され、
何年も使わないまましまい込まれている物も多いこともあるでしょう。
終活を意識する世代なら、
そのような使わない物を「断捨離」で一掃し、身の回りを整理整頓しておくことをおすすめします。
終活の一環として行う断捨離は、ただ不要な物を捨てるというだけではありません。
残しておかなければならない物、捨てても困らない物などを正しく選別することが重要です。
最終的には、物の所在を明確にしておくことと、大切なお気に入りの物だけが残っている状態が理想です。
元気で時間のあるうちに、少しずつ断捨離を始めませんか。
終活における断捨離のメリット
終活で断捨離をすることは、自分にとっても残された家族にとってもさまざまなメリットがあります。
多くの人が感じるメリットについて紹介します。
家族に迷惑をかけない
実家の遺品整理を経験した方もいるでしょう。多くの方が口を揃えて「物が多くて片付かず大変だった」とおっしゃいます。例えば、遺産整理をする人が定年を迎える前の現役世代で、実家が遠方にあり休日のたびに何度も往復することになると、時間・金銭・体力すべての点で多くの負担が生じます。
そんな経験した方たちは、子供には迷惑をかけたくないという思いで断捨離を決意するようです。
生前整理をすることは、残された家族のための思いやりでもあるのです。
ストレス解消などメンタルにも良い影響が
家の中が整っていないと、なんとなく気持ちもすっきりしないものです。「どこに何があるかわからない」「必要なときに必要なものがすぐに取り出せない」「いらない物がたくさんあってスペースを占拠している」などといった状態では、知らないうちにストレスが溜まってしまいます。断捨離で物を減らし、家の中が片付くと、おのずとストレスも減っていくはずです。日々を穏やかな気持ちで快適に暮らせるようになるでしょう。
さらに、断捨離をすることで、メンタル面でのプラスの効果が期待できます。家の中を片付けていると、昔の写真アルバムや日記などを見つけて久しぶりに目を通し、当時の思い出を振り返ることがあるかと思います。こういった回想行為は、メンタルの安定や脳の認知機能の活性化に良い影響を与えると言われています。
物が減り掃除がスムーズ
収納スペースが広く収納家具が多ければ、自ずと物は溜まってしまいます。物が増えてしまっても、広さに任せてすべてを収納してしまう方もいるでしょう。しかし、それではいつまでたっても物が片付きません。断捨離でいらない物を減らせば収納家具も不要です。収納場所から物があふれていた場合も、物を減らすことで本来の場所へ収納できるでしょう。目に見えて物が減ると、居住スペースも広がり掃除もしやすくなります。掃除を億劫に感じていた方は気持ちの負担も減り、清潔な快適空間が得られることでしょう。居住スペースに余裕があると、先々、在宅で介護を受けるようになったときも介護が受けやすいという効果もあります。
気分一新で明るく前向きになる
大きな収納家具などが不必要になり広々とすることで、長く住んで代わり映えのない自宅でも、模様替えだけで気分一新できます。物が減って身軽になったため、これを機に前向きにバリアフリーなどのリフォーム計画を検討する方もいます。
災害時などのケガのリスクも減る
クローゼットがあるにもかかわらず、あまり使用していないタンスを残しているお宅もあります。子供たちが独立しても、家族人数分の食器をそのまま大きな食器棚で保管している場合もあるでしょう。
ほとんど使わない物を保管するための大きな収納家具は、それこそ居住スペースの無駄になってしまいます。万一地震などでタンスが倒れたり、中の食器が飛び出して割れたりしたら逃げ道を確保するのも大変です。また、普段でも物が多く散らかった部屋では暗がりの中でつまずいたり、家具にぶつかったり、転んだりするかもしれません。適量を収納できるサイズの家具に変更してスペースを広げれば、そういったリスクが減らせるでしょう。
断捨離の方法とコツ
断捨離を行うタイミング
いつ行い始めてもいいのですが、おすすめのタイミングは、定年退職を迎えた時です。気力や体力が残っていて、時間が自由になったその時がチャンスです。断捨離のコツは、目についた物から手当り次第に物を捨てないことです。その方法では、どの部屋も中途半端に終わるか、大切な物まで捨ててしまうことがあります。
断捨離を行う際のコツ
断捨離はさまざまな考え方がありますが、終活の一環として行うなら、途中で疲弊しないような方法で行うことが大事です。義務感や大変な思いをしてまでやり遂げる必要はありません。少しずつ楽しみながら物と向きあい、不要品を選別できると良いですね。そのためには、どうすれば物が減らせるのかを考えて、リストにまとめてみることをおすすめします。
例えば、
・着られない洋服を処分する
・未使用の来客用食器をリサイクル店に売る
など、書き出してみましょう。
一つひとつチェックしていくことにより、物が減っていくのを実感すると同時に達成感もあり、目標をもって進められるでしょう。大切なコレクションなどは、健在なうちに写真にとってまとめておくと良いでしょう。あとで本人が納得する方法で誰かにあげたり、処分したりできます。
断捨離は場所ごとに行おう
上手に断捨離を行うコツは、場所ごとに進めていくこと。「家の中のいろいろな場所にちょっとずつ手をつける」というやり方はおすすめしません。例えば今月はキッチンの断捨離をすると決めたら、キッチンに絞って行います。これからも使う物と捨てる物に選別し、不要品は処分しましょう。
各スペースに3割の余白を作ることを基準にしてみよう
例えばクローゼットの中を断捨離するとき、クローゼットに3割の余白を作ることを意識してみてください。つまり、現状で10割物が入っているならそれを7割に減らすようにします。物を7割程度に抑えることで何が入っているのか確認しやすくなり、物を取り出しやすくもなります。また、これから新たな物が増えても収納に困りません。
断捨離が大変な場合、専門家の手を借りることも
どうしても自分の手に負えなければ、専門家の手を借りるのも効果的です。多少の費用はかかりますが、大きな家具や家電、粗大ごみなどの処分もすべて代行してくれます。短い時間で終わらせたい場合や、高い所や物置の奥などに重たい物があり作業が大変な場合、断捨離したい家が住居から遠方にある場合などにおすすめです。
終活で断捨離を行う時の注意点
余裕を持っての断捨離を
時間に余裕を持って断捨離を行いましょう。短時間で済ませたいためにあまり深く考えず、不要だからといってどんどん捨ててしまう人がいます。しかし、無闇に捨ててしまったため、何を捨てたのか覚えていないということもあります。重要書類を捨ててしまったのか、あるいはどこかにしまったのか記憶が曖昧になり、あとから必要なことに気が付いて家中を探し回ることのないよう、余裕を持って断捨離を始めましょう。
重要物まで捨ててしまわないように
二度と手に入らない物を捨ててしまうと後悔も大きく、断捨離そのものを失敗と感じてしまうこともあります。処分に迷う物まで無理に捨ててしまうことはありません。いずれ決断できる時期が来ます。断捨離のコツがわかれば選別もスムーズにできるようになるでしょう。短期決戦でなく、ある程度の余裕をもって始めるのが良いでしょう。
特に、金銭に関わる権利書や契約書などは、自分だけでなく家族にとっても大切な書類です。紛失すると再発行が難しい場合もあり、大きなトラブルの原因になりうる可能性もあるため、取り扱いには注意しましょう。例えば、保険証書や不動産関連書類、預金通帳などの重要なものは他の書類と一緒にうっかり捨ててしまわないようにしましょう。
その他、クレジットカードはご本人以外の方が処分するのは面倒です。使用していないカードは今のうちに解約してしまいましょう。
まとめ
真剣に物と向き合うことで、すっきりと晴れ晴れとした気分で余生を過ごせます。
終活の断捨離をして快適な毎日を手に入れましょう。