遺したくないデータや遺したいメッセージなどできる準備はたくさんあります。
では、具体的にどのようなソフトを使えばよいでしょうか。
自分の死後、見られたくないデータは削除することもできます。
利用歴が長ければ長いほど、蓄積していくHDD内のデータ。
過去の写真には、とても恥ずかしくて自分でさえ見るに耐えないものもありますよね。ましてや、家族とはいえ人の目に触れるなんてことがあるとしたら・・・。
また、仕事上で引き継いでおきたい書類データや、思い出の家族写真データ、とりわけ、愛する家族へのメッセージなどは逆に遺しておきたいですよね。
そのような願いは、アプリケーションサービスやウェブサービスで実現することができることをご存知でしょうか?
家族だけに限らず、友人や、会ったことはなくてもソーシャルネットワークで交流を重ねていた人たちに、メッセージを送ることができるサービスも存在します。
いろいろなサービスもありますのでご紹介していきます。
ソフト名 「編みノート」
指定したファイルを指定日時や指定した日数が経過したときに自動削除してくれるソフトです。
例えば自分自身に何か起きてしばらくパソコンを利用できなくなったような場合に、第三者に利用されないように一定の日数経過後にファイルを削除するように設定するような使い方ができます。
その場合は自分がパソコンを利用できる場合は指定日数を延長しておくことで、自分が利用中は削除されないようにしておく必要があります。
ソフト名「死後の世界」
「死後の世界」は、パソコンのタスクトレイに常駐し、最終起動日から指定した期間起動されなかった場合、自動的にソフトを実行して、家族にはメッセージ(遺言)を表示し、パソコン内からは削除したいファイルを一定条件の下で削除してくれるツールです。
実行日は「何年何月何日に削除を実行する」から「60日間起動しなかったら実行する」など、幅広い範囲であらかじめ指定しておくことも可能です。
ダウンロードの方法や、削除したいフォルダやファイルを登録したり、その登録を解除する設定はとても簡単です。
以下、Vectorダウンロードサイトに記載されている商品説明文の引用です。
あなたは突然死んでしまった場合の事を考えた事があるでしょうか?
事故、病気、天変地異…死は突然あなたに訪れます。
本ソフトウェアは、あなたが突然死んでしまった場合の事後処理をするソフトウェアです。
死後残しておきたくない機密書類を自動で削除したり、あなたの大切な人にメッセージ(遺言)を残しておく事が出来ます。
死後の世界の詳細情報 : Vector ソフトを探す!
ソフト名「僕が死んだら・・・」
あなたの死後、家族がデスクトップのアイコンをクリックすると
設定した文章が呼び出され、それを読んでいる間に裏側でファイルを抹消してくれるソフトです。
デスクトップ上に置くアイコンは、「愛する〇〇へ、僕の死後これを開けてください」等、家族がクリックしてくれそうな名前やデザインに変更することができます。
(ただし、ここで設定しておくメッセージには、遺言としての法的効力はありません)
以下、Vectorダウンロードサイトに記載されている商品説明文の引用です。
本ソフトウェアは、利用者自身に万が一不測の事態が起こった際に、あらかじめ指定した”家族に見られたくないファイル”を、利用者のPC(ハードディスク上)から完全削除するツールです。
(中略)
利用者に不測の事態が起こった後、家族の誰かがデスクトップ上の偽装された”削除ショートカット”を実行する事で、予め暗号化してあった”メッセージファイル”を復号化して表示すると共に、バックグラウンドで”削除対象ファイル・フォルダ”の削除処理を開始します。
削除処理が行われている事実は画面に表示されないので、ご家族の方がファイルの削除処理が行われている事を認知する事はありません。
僕が死んだら…の詳細情報 : Vector ソフトを探す!
https://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se444807.html
ソフト名「終活ソフト」
一定期間パソコンを利用していないと、パソコンの利用者に何かあったものとみなし、Windows ログオンパスワードの開示、テキストファイルでのメッセージの表示や指定フォルダーの削除を自動で行うソフトです。
家族や信頼できる人間以外が Windows にログオンできないように、暗証番号を設定することも可能です。
また、削除したフォルダー内のファイルを復元できないようにデータを一部破壊して削除する設定がデフォルトとなっています。
サービス「Proof of Liife」
「Proof of Liife」はFacebookやTwitterのアカウントと連携してユーザーの生存確認を行い、あらかじめ登録しておいた宛先にメッセージを送信できるWebサービスです
SNSと連携している場合、ログインしている状態ではなく、ユーザーが投稿やツイートをした時刻にタイマーがリセットされ、そこから30日カウントダウンしていきます。
タイマーがゼロになると登録者は亡くなったと判断され、あらかじめ登録しておいた宛先へあなたの「最後のメッセージ」が送信されます。
SNSを利用しておらず、アカウントを持っていない場合でも利用は可能です。
この場合、カウンターがゼロになる前に定期的に生存確認のメールが送られてきますので、そのメッセージ内に貼られたリンクへアクセスすることで、カウンターをリセットすることが可能になります。
こちらのサービスでは宛先や、メッセージを複数登録することができます。
それぞれのメッセージごとに複数の宛先を組み合わせて設定することができますので、家族全員宛や両親宛、友人宛、職場の同僚宛など、必要な内容を必要な人へ向けて作成しておくといことも可能です。
自分の死んだ後、大切な人たちへメッセージを送りたいという方は、デジタル終活をはじめる一歩として「Proof of Liife」を利用してみてはいかがでしょうか?
「Googleアカウント無効化管理ツール」
このツールを有効化しておくと、一定期間アカウントの利用がない状態の時に、自動でGoogleアカウントに紐付く全てのデータが削除されます。
死後に消したいデータがある人は、そのデータをGoogleドライブに保管しておき、「アカウント無効化管理ツール」を有効化する、という手もアリなのではないでしょうか。
また、設定によっては「指定した相手に写真などの一部のデータをメールで送る」こともできます。
(特定のデータ「だけ」を指定することはできず、共有は写真などのサービス単位になります)
連絡先には最大10人まで登録でき、設定時には相手に通知されることはありません。
登録にはSMS認証が必要なので、格安スマホやSIMを使っている方はプランを確認してください。
このツールの場合、非ログインが確認されてからメッセージが届くまでに最短で3か月かかるため、すぐに必要なデータを遺すには向かないと思います。
アカウント無効化管理ツールについて – Google アカウント ヘルプ
まとめ
いつ訪れるかわからない自分の死。
それに備えられるインターネット上のサービスや、アプリケーションサービスは近年充実してきています。
自分が死んだ後、残しておきたいデータ、またはそうでないデータをパソコン内に振り分けたり、遺書サービスに登録して使い始めたりと「デジタル生前整理」や「デジタル終活」を行うことで、これからの生き方や、人生に対する考え方が変わってきたという方も少なくありません。
消したいデータがある場合を前提にしたツールを取り上げましたが、実際には、それ以上に『家族に後始末を依頼したい』場合の方が多いかもしれません。
SNSアカウントの処理やオークション出品の取り消し、定期課金サービスの解約など、パスワードや内容自体を知らないと対応ができないものも、たくさん存在します。
いずれにしても、デジタル終活をすることは、いざという時に慌てないために、良いことだと思います。
いつ、どのような状況で遺族や故人になるかは誰にもわかりません。
これを機会にデジタル遺品の生前整理をはじめてみてはいかがでしょうか。