終活をすすめておくべき理由としてあげられるのが、「自分が置かれた状況を俯瞰で見る」ということがあります。
終活と言っても、難しく考えることはありません。今までの思い出の写真を見返し、整理を始めることも立派な終活のひとつです。

定年退職した、子供が独立した、配偶者や家族と死別した、大きな病気を患ったなど、人生の中で大きな節目となることをきっかけにエンディングノートづくりや写真整理を行うことで、これまでの自分の人生を振り返ったり、これから先の人生の中でやりたいこと、家族や友人に伝えたいことをなど現状を把握することができます。より充実した悔いのない余生を過ごし、そして残される家族の負担を減らすことに繋がるのではないでしょうか。

本日の記事では、終活を通して行う写真の整理手順や、遺影の準備などについてお伝えしていきます。

終活の中で、写真整理をする目的とは?

断捨離とはモノへの執着を捨て不要なモノを減らし、新しく手に入れることも最小限に、モノへの執着をせず、生活の質や心の平穏を高めていこうとする考え方のことです。

身の回りの着なくなった洋服や大きな家具、家電、車などのほか、整理しきれていない写真などを断捨離することで、将来家族の遺品整理の負担を減らせるだけでなく、自らの半生を振り返り、残りの人生の過ごし方を考えるきっかけにもなるでしょう。

思い出が深いものは断捨離を無理に進める必要はありませんが、分厚いアルバムは整理するのも大変な上、家族も処分するのにも躊躇してしまうことも多く、アルバムや写真の整理は断捨離しておくべきものひとつです。

終活の写真整理には、大きく分けて「遺族の負担を軽減する」という目的と、「自分が生きた証を残す」という意味があると言えます。

写真整理の手順

写真整理はどのように進めればよいのでしょうか。終活における写真整理の進め方についてご紹介していきます。
終活で行う写真整理には、いくつかのポイントがあります。

①写真整理を始めるタイミング
写真整理には思った以上に労力を使います。足腰が弱まり体力が衰えていたり、病気を患っていると作業自体が億劫になったり、写真の選択の判断もしづらくなります。なるべく元気なうちに、ご家族と一緒に写真整理に取りかかると、想いを伝えることに繋がり思い出の共有もできます。
②写真の保管方法
必要な写真を選んだ後は、すぐに見返せるようにまとめましょう。小さめのアルバムに仕上げたり、デジタル化をしてDVD化したりアプリなどを使いスマートフォンからも見られるようにしておくと、写真を見返す機会も増え、人生の振り返りもしやすくなります。
③断捨離した写真の処分方法
デジタル化されていない写真は、処分の前にデジタル化をしておくといざという時に安心です。量が多く、自分で作業を行うのが負担に感じる時は専門業者に依頼することもできます。処分を決めた写真やアルバムは、一般のゴミとして廃棄もできますが、個人情報のためシュレッダーにかけたり、個人情報を扱う専門業者に引き取ってもらい、溶解処理などをしてもらう方法もあります。思い出の品を処分することに抵抗がある方は、神社や寺でお焚き上げしてもらうこともできます。

大量の写真やアルバムが残っていると、遺族の方は写真の選択にも時間がかかる上、思い出の品を処分することに躊躇してしまうことも考えられます。写真をできるだけ残してほしい方や、遺族の手元に残しておいて欲しいと思う方は、管理しやすい形に整理やデジタル化をしておき、ご家族と共有しておくことをおすすめします。

整理をした写真の中から遺影に使いたいもの探してみる

終活の取り組みの中でよく挙げられるもののひとつに、遺影の写真を準備しておくというものがあります。
入院生活などや寝たきりの状態になってからでは、ご自分の納得のいく写真を準備するのは難しくなります。
既存の写真の中から、遺影用の写真を選ぶ際のポイントを紹介していきます。

①できるだけ顔が大きく写っている写真
遺影は設置する場所にもよりサイズが異なりますが、祭壇では四つ切りもしくはA4サイズ、焼香台や仏壇用にはハガキやL判サイズが用意されることが一般的です。このようなサイズで作成するには、元の写真を大きく引き伸ばす作業が生じるのです。祭壇用の写真はかなりサイズが大きく、写真を引き伸ばす必要があります。集合写真など元の写真の顔部分が小さいものは、ぼやけたり画像が粗くなったりすることが考えられます。写真の加工技術も進んでいますが、できるだけ大きく写っているものやデジタルデータなら解像度が高いものを準備しておくと、きれいな仕上がりが期待できます。
②体はできるだけ正面を向いているカメラ目線の写真
カメラ目線の写真を選ぶことで、焼香の際などに参列した方が故人と目を合わせることもでき、最期のお別れの気持ちも伝えやすくなります。また自宅に遺影を飾る際にも、カメラ目線の方がより遺族の方に寄り添うことができるのではないでしょうか。
③自分らしさや人柄が分かる写真
昔はあらかじめ遺影の写真を選んでおくことも無かったため、証明写真などのかしこまった写真を選ぶのが一般的でしたが、最近は自然な表情でリラックスした雰囲気の写真が好まれる傾向にあります。旅先や趣味を楽しんでいる写真、家族と一緒の写真など自分らしさが出ているものが良いでしょう。できるだけ、自然でリラックスした雰囲気で撮影した、自分らしさが出ている写真を選びましょう。趣味を楽しんでいる場での写真、楽しい家族だんらんを写した写真などから選ぶといいかもしれません。
遺族は葬儀の後も遺影を目にする機会が多いため、生前の幸せそうな表情やご家族が気に入った表情を選んでおくのもポイントとなりそうです。
④できるだけ直近に撮影した写真
若い頃の写真を選びたいという方もいらっしゃるかもしれませんが、亡くなった時期に近い写真だと参列者も故人との思い出に寄り添うやすくなります。遺影写真は、生きてきた証として人生の最期に見てもらう写真になりますので、できるだけ直近に撮影したものが良いのではないでしょうか。

探した写真の中に、表情は気に入っているけれど、背景が気に入らない。髪型が整っていない。遺影向きではない服装をしている。など気になる点があるが、その写真を使いたい場合は写真加工サービスを利用することもできます。近年は技術が発展しており、あるものを消したり、合成したりなどの加工が可能なため、専門業者に相談をしてみるのもおすすめです。

遺影用の写真を撮影する

終活をすすめる上で余裕のある方は、新たに遺影用の写真を撮影しておくこともおすすめです。
自分の納得のいく仕上がりの写真を用意でき、たとえそれを使うタイミングがなかったとしても思い出として残すことができます。

①フォトスタジオや写真館で撮影をする
プロカメラマンによる撮影は、撮影器具も豊富でクオリティの高い写真が期待できます。また、プランによってヘアメイクや衣装をレンタルできるサービスやメニューが準備されていたり、撮影後の写真の加工なども依頼できるところも多く、プロの技術を堪能したい方におすすめです。スタジオや写真館での撮影料金の相場は、プランなどにもよりますが2万円前後ほどです。
②自宅や旅行先などリラックした雰囲気で撮影をする
終活を取り入れる方の多くは、高齢の方のためわざわざ撮影のために出向くというのは負担になるかもしれませんし、若い頃に比べ家で過ごす時間が多く、思い出も多いかもしれません。自宅を背景に撮影したり、自分の生まれ育った場所や、旅先の綺麗な風景の中などでの撮影も自分らしさを表現できそうです。
③出張撮影を依頼する
ご自分の希望する場所で撮影をしたいけれど、撮影を頼める人がいない、機材がない、撮影に自信がないなどプロのカメラマンの力を借りたい場合は、出張撮影を依頼することもできます。
ご家族が自然に遺影の遺影の準備をしておきたい場合や、お身体が不自由な場合にも出張撮影はおすすめです。出張撮影料金の相場は、1時間程の撮影時間で2万円〜3万円ほどです。

まとめ

・写真の断捨離は体力と時間の余裕のあるタイミングで始めるのがおすすめ
・断捨離後の写真は、見返すのが面倒ではない程度にまとめたりデジタル化をし、家族と共有できると良い
・終活を通じて遺影用の写真も同時に準備をしておくと安心

故人が亡くなった際、写真が整理されていないと遺族は写真を整理しきれず、最終的には捨てる他ないという選択をせざるを得ないことも多くあります。遺族が、思い出のつまったを写真やアルバムを手放すのはとても辛いことです。
できるだけその負担を減らすためにも、余裕をもって写真の生前整理に取り組むことをおすすめします。

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