終活の活動のなかのひとつに、身の回りの整理整頓、断捨離をしておく。というものがあります。
身辺整理をしたり、エンディングノートなどを通してこれまでの人生を振り返り、残りの人生について向き合うことで、最期に向けての準備をすることができます。
その中のひとつに、写真整理があります。
卒業アルバムや写真にはこれまでの思い出やご自身の歩みが刻まれています。その写真を整理することでこれまでの人生を振り返り、やり残したことやセカンドライフをどう過ごすかを考え、残される家族や友人への想いを確認するきっかけとなります。
今回の記事では、断捨離の中でもなかな手が付けづらい卒業アルバムなどの写真の整理についてご紹介していきます。
写真整理の必要性とは?
断捨離という言葉は、断交・捨行・離行という3つの言葉からきており、不要なものを断ち、捨てる、物に執着しない生き方をするという意味があります。単に不要なものを処分するというだけでは無く、物にとらわれずに必要なものだけを見極め生きていく姿勢そのものが断捨離の本質と言えます。
最近は、ミニマリストという表現もよく聞かれますが、ミニマリストとは生活をする上で必要最小限のものしか持たないというライフスタイルを指します。
終活を通して断捨離をする意味は大いにあると思いますが、しかし大切にしている物まで捨ててしまったり、充実した生活ができなくなるほど物を減らす必要はありません。
生活に必要な物だけを残しつつ、快適で自由な暮らしを意識してみると、残すべきものと処分するべきものが見えてくるかもしれません。
すぐに始められる洋服や靴などの整理のほか、家具や家電など大きなものを、これからのライフスタイルに合わせ使い勝手の良いものだけを手元に残すようにしていきます。すると家族の遺品整理の負担を減らせるだけでなく、自らの半生を振り返り、残りの人生の過ごし方を考えるきっかけにもなるでしょう。
断捨離で処分すべきものは人それぞれですが、中でもアルバムや写真の整理はその必要性が高いと言えます。
卒業アルバムや写真などはご家族が多い場合、膨大な量となっている可能性もあるので、体力のある元気なうちに取り掛かることがおすすめです。
そんな終活の中で是非進めておくべき写真整理ですが、どのように行えばよいのでしょうか。
卒業アルバムや写真の整理のポイントとは?
思い出の品と言うのはなかなか手放せないことが多いものです。卒業アルバムなどはその筆頭とも言えます。写真を見返すことで、学生時代の思い出や友人とのこと、その後歩んできた人生を振り返る上でもトリガーの役目を果たしてくれるかもしれません。
また、以前は一般家庭ではカメラは一家に一台しかないもので、写真は今に比べると手軽に撮影できるものではありませんでした。
家族で遠出をした時や学校の運動会など、ここぞという時に両親が撮影してくれるものだったのでまさに思い出を象徴するものです。
しかし、処分ができずそのまま放置しておくと、終活を目的とした活動としては意味を果たしません。
終活の活動として、生前整理を前提にした断捨離をする場合、後に残された人の負担を考えると非常に意味のあることになります。
残れされる家族に負担をかけてまで残したいものかどうか、すこし究極の選択と言えるかもしれませんがですが、
それを手放したいかどうか迷った時は、遺品整理をする人のことを考えるといいかもしれません。
ミニマリストの多くは、卒業アルバムを手放していると聞きます。
ミニマリストになるために無理矢理思い出の品を手放そうとする必要はありませんが、手放す必要があると判断するのは終活の生前整理を進める上では重要なポイントです。
写真を選別する基準は、断捨離するもの、残しておきたいもの、どちらを気持ちを優先するかで整理をする時の気分も変わってくるかもしれません。
終活はあくまで残りの人生をより楽しく快適に過ごすための活動です。気持ちが少しでも上がるポイントをご自身で見つけて進めてみましょう。
◉断捨離する基準
・すでに劣化した写真
・見返したいという気持ちが起こらない写真
・お別れした相手が写っている
・風景、動物だけの写真
・今は交流のない友人との写真 など
◉残しておく基準
・振り返って笑顔になれる写真
・亡くなった家族、友人が写っている
・家族に見られても構わない写真 など
アルバムや写真の保存方法
残しておくアルバムや写真が決まったら、一度全体量を確認しましょう。そこでもう一度、ここから先ご自身が管理をする上で負担にならない量かどうかを再確認することができます。
重たい古いアルバムは収納や維持管理が大変です。また、写真劣化を防ぐためにも、デジタル化しておくことがおすすめです。
アルバムに貼られた写真は熱を加えると剥がしやすくなるので、ドライヤーなどで暖めながら剥がすと良いでしょう。
卒業アルバムも冊子の中でご自身が写っているページや残しておきたいページは数ページかもしれないでしょう。
そのような場合も、必要な箇所のみ抜粋して保存しておくのもおすすめです。
①分類する
几帳面に揃える必要はありませんが年代毎に分類しておくと、見返す時も時系列になっていて探しやすくもなります。学生時代、旅行、入学・卒業など分類ごとでも良いでしょう。
こうして分類しておくことで、データ化したあとにも写真を探しやすくなります。
②スキャンする
プリンターでスキャンをしたり、写真屋などに持ち込むとデータ化することができます。
それが面倒な場合は、スマホのカメラで写真を撮影するのも方法のひとつです。ご自身の負担になりすぎないよう、データ化の方法を選択しましょう。
③保存する
写真の分類と同じフォルダ名をつくり、分類した写真ごとにを保管します。
最近はWeb上やアプリなどで簡単に写真管理をすることができます。ご家族が集まった時にテレビに繋げて大画面で見たり、好きな写真だけを厳選してアルバムなどに編集するのも難しい作業ではありません。
自分のスマホから簡単に友人に見せることも可能です。操作も簡単で、シンプルな機能なものなど様々な種類がありますので、ご自身にあった方法で管理しましょう。
アルバムや写真の処分方法
写真をゴミとして捨てる際の分類は、可燃ゴミです。
写真用紙は耐水のため普通紙とは違い、インク自体が不純物で取り除くことが難しいためリサイクルできません。
また、人物の顔や場所など、特定されるようなものが写っている場合は、個人情報なので捨てる際に注意が必要です。
①細断する
個人情報の特定を避けるためにも、ゴミとして捨てる場合はシュレッダーなどで裁断しておきましょう。シュレッダーがない場合は、ハサミなどで細かく切るようにしましょう。
②まとめて見えない状態で処分する
写真の数が多い場合、一枚一枚切り刻むのは手間がかかります。
切って処分するには量が多すぎる場合は、写真をまとめて新聞紙や紙袋などで包み、ガムテープなどで留めた状態でゴミ袋に入れて処分しましょう。
③漂白剤をつかう
大量の写真には、漂白剤を使う方法もあります。ぬるま湯に漂白剤を適量入れ、その中にいらなくなった写真を投入しておくと、数分でインクが溶けて写真を白くすることができます。放置するだけで、なにが写っていたか判らない状態にすることができるので、大量の写真の処理をする際にはおすすめです。
④お焚き上げをする
神社やお寺に依頼して写真をお焚き上げして処分する方法もあります。大切な思い出である写真をそのままゴミとして捨てるのに抵抗がある場合などにおすすめです。
まとめ
・卒業アルバムなどの将来家族が処分しづらいものは、ご自身で生前整理をしておくと良い
・これからのライフスタイルを考え、負担にならずにご自身で管理できる量を目安に選別をする
・選別した写真はデータ化しておくのがおすすめ
終活において写真整理をするということは、人生を振り返るという意味にもなります。写真やアルバムをきちんと整理して残すことで、自分が生きた証を家族に伝えることができます。
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