大事な家族を失った悲しみは計り知れません。
いつかは家族との別れが来ることはわかっていても、いざその場面になると、精神的なダメージは大きいものでしょう。
そのような悲しみから立ち直るための手段として注目されているのが「グリーフケア」と呼ばれるものです。
今回の記事では、このグリーフケアについてお伝えしていきます。
グリーフケアとは
大切な日を亡くした時、心の中では「喪失」と「立ち直ろうとする思い」が同時に発生してきます。
平然を装っていても、人間ならば誰でも、この共存する2つの思いの間で揺れ動きます。
これらの心の動きをまとめて「グリーフ」といいます。
「グリーフ」の時期には「死とは何か」「死者とは自分にとってどんな存在か」など、答えの出ない疑問や、人としての存在意義に対する問いかけを繰り返してしまいます。
こうした心の状態にある人に寄り添い、適切なサポートをすることを「グリーフケア」と言います。
グリーフケアの方法
悲しみに暮れる人に対するケアやサポートを総称してグリーフケアと呼んでおり、具体的に決まった方法があるわけではありません。
ここでは、グリーフケアの一例をご紹介いたします。
悲しみを受け止める
大切な家族を失ったときに感じる悲しみはとてつもなく大きいものです。
この時に感じる悲しみを抑え込む方が非常に多いようです。
気持ちを無理に抑え込もうとすると、余計に気持ちの整理に時間がかかってしまいます。
まず行うべきことは、感じている気持ちを自然な感情であると受け止めてあげることです。
今の気持ちを言葉にする
悲しみや後悔、怒りなど、その時感じる自分の気持ちを自然な感情であると受け止めたら、その気持ちを吐き出しましょう。
吐き出す方法は、ほかの人に話したり、亡くなった人に対して手紙を出すなどの方法があります。
周囲の人に話すことに抵抗を感じる方であれば、市町村やNPOなどが行う遺族の集いに参加したり、カウンセラーなどの専門家を頼ることも有効な方法です。
葬儀を行う
実は、葬儀やお通夜などは、それ自体がグリーフケアの一環であると考えられています。
これらの儀式を通じて、周囲の方と悲しみを共有し、ともに乗り越え、また、故人の死を受け入れるきっかけになります。
グリーフケアの注意点
グリーフケアは大切なことである一方、安易に行うことで逆に遺族を傷つけてしまう可能性があります。
ここでは、グリーフケアを行う上での注意点をお伝えします。
安易に励ます
相手の気持ちを考えずに安易に言葉をかけることは、遺族に精神的な負担を強いることになります。
分かったふりをする
安易に分かったふりをすることで、遺族に不信感を抱かせてしまいます。
同じ経験をしていても、感じる気持ちは人それぞれです。
自分の気持ちが相手と同じであると思い込み、分かったふりをしないように注意しましょう。
プレッシャーになるような言葉をかける
悲しみから立ち直る時間は人それぞれ違います。
「いつまで悲しんでいるの!」「早く元気を出して!」などの言葉は、言っている本人からすると元気づけているつもりでも、受け取る相手からするとプレッシャーに感じてしまう可能性があります。
あるいは、悲しみの気持ちを増幅させてしまう可能性もあるので、注意しましょう。
グリーフケアを学ぶ
グリーフケアに関して学びたい方は、資格取得を目指してはいかがでしょうか。
グリーフケアアドバイザー
資格名 | グリーフケアアドバイザー |
問合せ先 | 一般社団法人 日本グリーフケア協会 |
取得費用 | ・グリーフケアアドバイザー2級 32,400円 ・グリーフケアアドバイザー1級 54,000円 ・グリーフケアアドバイザー特級 77,000円 |
受講方法 | 会場で受講 |
身につくこと | グリーフケアにおける基礎知識から、実践で必要な知識・技術・ノウハウまで学べる。 |
グリーフケアアドバイザーは特級まであり、特級取得者は、グリーフケアのワークショップを自ら開くなど、より実践的な知識・技術まで身につけることができます。
グリーフケア専門士
資格名 | グリーフケア専門士 |
問合せ先 | 一般社団法人日本グリーフ専門士協会 |
取得費用 | ・グリーフケア入門講座 無料 ・グリーフ専門士(ベーシック) 55,000円 ・グリーフ専門士(アドバイス) 132,000円 ・グリーフ専門士(マスター) 187,000円 |
受講方法 | オンライン受講 |
身につくこと | グリーフケアに関する基礎知識から、アドラー心理学に基づくカウンセリングスキルまで身につく。 |
最上位資格であるマスターまで取得することで、アドラー心理学に基づくカウンセリングが実践できる知識・スキルまで身に付きます。
知識を身につけるだけでなく、実際に他者の悩みに寄り添いたい、解決の手助けをしたいと考える人にとってはオススメです。
まとめ
- グリーフケアとは、大切な人を亡くした時の気持ちの動きに寄り添い、ケアすることを言う。
- グリーフケアの具体的方法としては、悲しい気持ちを受け止める・気持ちを吐き出す・葬儀等の儀式の実施や参加が挙げられる。
- 注意点として、安易な励まし・分かったふり・プレッシャーになる言葉は避ける。
- グリーフケアを学びたい人には、資格取得がオススメ。
グリーフケアを学ぶことで、ご自身だけでなく、他者の役にも立つことができます。
終活を進めるうえでも役に立つ知識・スキルになります。
Good Endingでは、終活のご相談を初め、終活分野での専門家紹介を行っております。
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