終活をするうえで大切な項目として、ご自身の遺骨をどのようにするかという供養の問題があります。
従来であれば、先祖代々のお墓に遺骨を納めることが当たり前と考えられていました。

しかし、現在では人々の価値観が多様化し、それまでの考えが当たり前の世の中ではなくなりました。
生涯未婚を貫くおひとりさまや、子供を意識的に持たないDinksなど、家族の在り方が様々なものに変化してきています。
このような人々の価値観の変化に合わせて、供養の仕方も様々な選択肢が生まれました。
今回ご紹介する納骨堂も、その一つです。

本日の記事では、納骨堂で供養をするメリットや方法についてお伝えしていきます。

納骨堂とは

納骨堂のひと区画を開いたところ

納骨堂とは、主に建物の中などに個人や家族で遺骨を納められる施設のことをいいます。
以前は、一時的に遺骨を預かる場所とされていましたが、最近では一時的な遺骨の保管先ではなく、お墓同様に恒久的に遺骨を祭祀する施設としての役割を担っています。

納骨堂のメリット・デメリット

MERITとDEMERITの天秤

メリット

費用が抑えられる
お墓を購入すると、墓石代や霊園の永代使用料が必要となります。
この費用は平均で169万円となっています(株式会社 鎌倉新書「第 12回 お墓の消費者全国実態調査(2021 年)」)。
加えて、毎年の管理費用も必要になります。
納骨堂はこれより安く、費用を抑えられます(費用相場はこの後の項目でお伝えします)。

建物内にあるため、天気や気候を気にせずにお参りできる
納骨堂は屋内にあるため、雨風を心配することなくお墓参りができます。
また、トイレや冷暖房、照明も整っており、快適です。

宗旨・宗派不問の施設が多い
納骨堂では、寺院が運営している納骨堂でも宗旨・宗派問わず納骨することが可能です。

継承者が不要
先祖代々のお墓であれば、自分が亡くなった後、お墓の管理をしていく人を見つけておく必要があります。
納骨堂であれば、継承者がいない場合には合祀墓で供養されるため、継承者を立てておく必要はありません。

デメリット

納骨できるスペースに限界がある
納骨堂に納められる遺骨の数には限界があります。
特に骨壺のまま遺骨をおさめると、その分スペースを取るため、納める遺骨の数に制限があります。
個人、夫婦、家族の単位で預ける場合は良いですが、先祖代々の遺骨を預けることは難しいでしょう。

最後は合祀される
一定期間が経過した遺骨は、ほかの人の遺骨と一緒に埋葬されます(合祀)。
納骨堂のメリットとして、「承継者が不要」という点がありましたが、これは合祀されるためであり、人によってはデメリットに感じる場合があります。

お参りに方法が制限される
納骨堂は室内にあり、他の方の遺骨も数多く納められています。
お墓参りの時には、お線香、供花、お菓子などを供えてお参りすると思います。

しかし、納骨堂の場合、室内であるために火を使ったお線香が禁止されている場合が多いです。
また、お供え物が腐ったり、お花が枯れる場合もあります。

このように、他の人の迷惑になる物は禁止されています。

また、納骨堂によっては参拝ができないこともあります。
事前によく確認するようにしましょう。

納骨堂の選び方

CHECKの文字と指

通いやすい場所か

自宅から遠い場所だと、参拝の頻度が減ってしまいます。
自宅からの時間、距離、公共交通機関の種類、路線、乗り換え回数などを確認しましょう。
最寄り駅から徒歩でどれくらいか、駐車場があるかどうかも確認しましょう。

費用は予算内か

立地条件や区画のサイズ、納骨形式、施設の充実度などによって価格は異なります。
想像以上に高額になる場合もあるので注意が必要です。

また、相場に比べてあまりにも費用が安い場合も注意が必要です。
合祀タイプである、別途管理費やお布施が必要になる、などということがないか、事前に確認しましょう。

お参りの方法に制限はないか

お参りの際、お供え物を置くことができるか、参拝する曜日や時間帯に決まりがないか、といった制限の有無を確認しましょう。

ご遺骨の安置期間

納骨堂に納骨しても、一定期間経過後には永代供養となり、他の遺骨と一緒に合祀されることになります。
ご遺骨の安置期間は、一般的には三十三回忌が期限とされていますが、納骨堂によっては三回忌~五十回忌までと期間が異なります。
必ず安置期間を確認するようにしましょう。

納骨堂の費用相場

電卓と¥マーク

どのような組織が運営しているかで、費用の相場が変わってきます。

運営元相場
寺院納骨堂10万円~100万円
公営納骨堂20万円~60万円
民営納骨堂50~100万円

まとめ

  • 納骨堂とは、主に建物の中などに個人や家族で遺骨を納められる施設のことをいう。
  • 納骨堂のメリットは、費用が抑えられる・天候を気にせずお参りできる・承継者不要・宗旨宗派不問がある。
  • 一方デメリットは、納骨スペースの限界・最後は合祀される・お参り方法の制限がある。

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