鈴木貴博
終活の中で大きな割合を占めると言っても過言ではないのは、葬儀や供養に関する準備でしょう。
ライフスタイルが多様化している中で、葬儀や供養に関する選択肢も増えていますが、必ず必要となるのが遺影ではないでしょうか。
臨終を迎えてから遺影にする写真を探して加工をするとなると、どうしても準備をするまでの時間が短く、時には遺族も妥協をして写真を選択することにもなりかねません。最近は事前に遺影の準備をしておくことも珍しいことではありません。
今回の記事では、遺影選びのポイントや遺影用の事前撮影などについてお伝えしてきます。
遺影を準備しておくメリットとは？
葬儀の準備というのは、事前によほど綿密に行なっておかない限りどうしても短い時間の中で様々な手配が必要になってくるものです。突然不幸が訪れる可能性もあります。遺族は悲しみの中、お葬式の準備に取り掛からなくてはいけませんが、もしそんな時故人の想いや希望が明確になっていたとしたら？
葬儀の中で要とも言えるものの一つが遺影でしょう。一言と遺影と言っても、何でも良いわけではありません。
顔が正面を向いていて、目線が合っているもの。服装が遺影にふさわしいもの。写真の画像の質など、遺影の大きさにまで引き伸ばした時の状態を想定して、写真を選ぶ必要があります。
家族の元に残された写真が多くても少なくても、その中から遺影の写真を選ぶことは簡単なものではありません。
ご家族にとって大切な人の遺影は、より良いものを選びたいと思うでしょう。
それが本人が気に入っており、納得した仕上がりの写真を用意することができれば、言うことはありません。
葬儀の弔問に訪れた人たちも、遺影を必ず目にすることでしょう。最期のお別れにふさわしい写真を事前に準備できていると、家族も葬儀の準備を進める上で悩まなければいけない負担を減らすことができるのではないでしょうか。
遺影を選ぶポイントは？
では遺影にふさわしい写真とはどんなものでしょうか？手元にある写真の中から遺影を選ぶ際のポイントについていくつかご紹介していきます。
・写真のサイズ
遺影のサイズにはこれでなくてダメという明確な決まりはありませんが、一般的には祭壇用には4つ切りサイズが使われることが多いようです。これはA4サイズよりもひと周り大きくなります。このサイズにまで写真を引き伸ばすとなると画像が荒くなるため、画素数の高いデータで準備をしておけると遺影にした時も綺麗に仕上がるでしょう。
・背景
準備をした背景が旅先のものだったり、故人の人柄が分かるようなものであった場合、加工をせずに使用することもあります。しかし、背景に誰も他の人や建物が入っていない写真というのもなかなか難しいものです。
現在は加工後術が発達しているため、余計なものを削除したり、人物だけをトリミングして背景全体を好みのものに変更することも可能です。故人の肌の色や着ている服装などの他、好みに合わせて故人らしい遺影に仕上げることも可能でしょう。
・人柄の分かる写真
葬儀には家族や親族だけではなく、様々な方が弔問に訪れるでしょう。中には久々の対面が葬儀になってしまったということもあるでしょう。そんな時にも、遺影から故人の人となりを感じることができると、故人と過ごした思い出も蘇りやすくなるのかもしれません。
遺影は葬儀だけでなく、法要や仏壇へ手を合わせるときなど、遺族にとってはさまざまな場面で目にするものです。故人との楽しい思い出話などのきっかけとなるような、遺族が気に入った写真を選ぶことも良いのではないでしょうか。
遺影用に写真を新たに撮影をすることもおすすめ
実際遺影がいつ必要になるかは誰にも予想がつかないものです。最近はスマートフォンの普及により以前よりも気軽に写真を撮る機会が増えてきたと言えますが、それでもいざ遺影用の写真として考えてみるとふさわしい写真がない、と思うこともあるでしょう。
最近は、終活の一環として遺影用の写真を生前に撮影して準備をしておくという方も増えています。
事前に撮影するメリットや価格などをご紹介していきます。
綺麗な写真を準備できる
遺影用の写真は写真館などでももちろん撮影できますが、最近は遺影専門の業者というのもあります。
遺影の撮影というと死の準備ということで重く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の納得のいったお気に入りの写真を使ってもらえると思うと、気持ちも変わってくるかもしれません。
・自然な笑顔を引き出してもらえる
プロのカメラマンに依頼しますので、これまでに培った自然な笑顔を撮影する技に期待できます。バックに入れたい風景などがある場合は、出張カメラマンに依頼することもできます。
・服装のアドバイスをもらえる
遺影の服装というと、正装でと考える方も多いと思いますが、最期に見てもらう写真ですので、故人らしさが表れているいる遺影も非常に魅力的でしょう。趣味を表現できるものや自身が大好きな服装など、正装だけにこだわらず自分らしさを大切にした服装選びにも相談に乗ってくれるでしょう。写真館によっては、レンタル衣装などを準備してくれるところもあります。
・ヘアメイクを整えてもらえる
プロの手を借りられるのはカメラマンだけではありません。遺影専門業者などでは、ヘアメイクがプランに含まれている場合も多くあります。プロにヘアメイクをしてもらうことで、普段よりもさらに輝いた自分を引き出してもらえることも多いでしょう。加齢が進むとどうしても隠したいシミやシワが増えるものですが、そのような悩みも是非相談してみましょう。
・写真加工を施すことも可能
最近はさらにオプションとして充実しているのが、写真の加工です。
ここまでもプロの手を借りて写真を撮影する方法をご紹介してきましたが、撮影した写真にどうしても気になる箇所などがあった場合、プロの技術により写真に加工を施すこともできます。
お肌をより若々しい印象にしたり、ヘアにボリュームを持たせたり、髪色を変えることなども可能です。
遺影だけを撮影にいくと思うとなかなか行動に移せないという方も、ご家族との記念撮影を兼ねてと考えると気持ちも楽になるかもしれません。
気持ちよく、気分を上げて終活をおこなうというのも非常に大切なことです。自身がお気に入りの写真を遺影にすることで、葬儀の際には家族や会葬者もより故人に寄り添ってお別れができるのではないでしょうか。
費用はどのくらいかかるの？
写真館や葬儀社などでプロに撮影を依頼する場合の価格の相場は、15,000円～20,000円程度のところが多いようです。さらにプランやオプションなどにより価格が変わってきます。
身体が不自由で写真館などに出向くのが難しい、自宅の雰囲気を写真に残したい時などは、出張を依頼できることもあります。
写真の仕上がりはカメラマンの腕で変わってきますので、金額などと相談しながらご自身の好みのプランのある写真館やカメラマンを探してみましょう。
まとめ
・遺影を事前に用意しておくと、家族の負担を軽減できることにつながる
・既存の写真から遺影用の写真を選別するのは、思った以上に大変なこともあるので、生前に遺影用の写真撮影する
のもおすすめ
・遺影は最期に自分らしさを表現できるもののひとつ。自身の人となりが伝わる写真を準備しておくのがおすすめ
撮影に行く場合、友人や家族に付き添ってもらうと、より自分らしい表情などのアドバイスがもらえることもあるでしょう。家族との思い出作りの一環として写真館を訪れてみるのもおすすめです。
遺影の準備から始めてみるのも終活の良いきっかけになるかもしれません。ご自身の遺影写真について是非考えてみてください。
Good Endingでは、終活のご相談を初め、終活分野での専門家紹介を行っております。
税理士を初めとした専門家チームが、ご相談者様のお悩みを全力でサポートいたします。
終活でお困りの方は、お気軽にご連絡ください。