厚生労働省の発表によると、2020年の日本人の平均寿命が女性が87.74歳、男性が81.64歳となり、過去最高を更新しました。過去最高を更新するのは女性が8年連続、男性が9年連続となります。また、国内の100歳以上の高齢者は「老人の日」の2020年9月15日時点で8万450人と、初めて8万人を超えました。こちらは1971年(339人)以来、50年連続で過去最多の更新となります。医療技術の発達や健康志向の高まりにより、平均寿命は今後も増加する見込みです。

寿命に関する数字でもう一つ、気になるデータがあります。それは「健康寿命」です。これは、2000年に世界保健機関(WHO)により提唱された言葉になります。意味としては「心身ともに自立し、健康的に生活できる期間」のことで、病気やけがなど無く、自立した生活が送れている状態のことを指します。厚生労働省の発表によると、2016年の健康寿命は、男性が72.14歳、女性が74.79歳となっております。つまり、この年齢を過ぎてから寿命を迎えるまでは、病気などによる制限のある生活(不健康期間)を送る可能性があると言うことです。具体的年数は以下の通りです。

寿命に関する数字でもう一つ、気になるデータがあります。それは「健康寿命」です。これは、2000年に世界保健機関(WHO)により提唱された言葉になります。意味としては「心身ともに自立し、健康的に生活できる期間」のことで、病気やけがなど無く、自立した生活が送れている状態のことを指します。厚生労働省の発表によると、2016年の健康寿命は、男性が72.14歳、女性が74.79歳となっております。つまり、この年齢を過ぎてから寿命を迎えるまでは、病気などによる制限のある生活(不健康期間)を送る可能性があると言うことです。具体的年数は以下の通りです。

2016年 平均寿命 ー 健康寿命 = 不健康期間

男性   80.98歳 ー 72.14歳 = 8.84歳

女性   87.14歳 ー 74.79歳 = 12.35歳

出典:厚生労働省「平成28年簡易生命表」「第11回健康日本21(第2次)推進専門委員会資料」

男女で違いはありますが、約8~12年の不健康期間があるのです。お一人様の老後を送る場合、この間のリスクへの備えが非常に重要になります。次から、一人で迎える老後のリスク、そして対策についてお伝えしていきます。

老後の3つのリスク

老後に考えられるリスクとしては以下の3つになります。詳しく見ていきましょう。

入院リスク

厚生労働省のデータでは、30~34歳の入院率と比べ、60~64歳は3.4倍、70~74歳は5.8倍にもなります(出典:厚生労働省 平成29年「患者調査」)。ここから分かるように、高齢になるほど、病気・ケガのリスクは高まります。この場合には様々な問題が生じてきます。

1.身元保証人が必要

入院や手術をするときには、身元保証人が必要となります。身元保証人には、治療費などの支払いのほか、転院が必要になったときや死亡したときのご遺体の引き取りといった役割が求められます。お一人様の場合、身元保証人になってくれる親族がいないために、自ら探さなくてはならない自体に陥る可能性があります。

2.治療費支払いの負担

治療期間が長引けば、その分、治療費の支払い負担も増加していきます。当サイトブログ「保険見直しの必要性について」でもお伝え致しましたが、日本では「高額療養費制度」によって、自己負担額は一定額に抑えられます。しかし、この制度は毎月リセットされるため、入院や退院後の治療が長期化し、複数月で治療が行われる場合、それに応じて治療費も膨れ上がってきます。

老後は年金が主たる収入源であり、ゆとりのある生活をしている方ばかりでは無いと思います。その中で、毎月の生活費+治療費を自分一人で払っていくことは大きな負担になると考えられます。

介護リスク

厚生労働省の調べでは、2018年度の要介護(要支援)認定者数は約658万人となりました。公的介護保険制度がスタートした2000年以降、毎年その数は増えており、2000年と比べ2018年の認定者数は約2.6倍となっています。要介護状態になる原因は様々ですが、一番は認知症となっており、次いで脳血管疾患・高齢による衰弱・転倒骨折の順となります(出典:厚生労働省 2019年「国民生活基礎調査」)。

お一人様の場合、ご自身が介護状態になった場合、親族からの介護を受けることが出来ません。事前に介護サービスを受けられるよう、対策しておく必要があります。

死後リスク

お一人様が亡くなった後の様々な手続きも問題となります。

1.火葬・納骨・お墓の手配

亡くなってすぐに問題となるのは、火葬・納骨の手配です。予め頼む人を決めておかないと、ご自身の意思が確認できず、希望通りの手配が出来ません。仮にお墓を準備していても、誰かに伝えておかないと、手配しておいたお墓に入ることができません。せっかく契約はしたにも関わらず、亡くなったことにも気づかれずそのままになっているお墓もあるでしょう。

2.各種手続き

死後の手続きとしては、実に様々なものがあります。具体的には、例えば以下のようなものがあります。

・健康保険証返還

・病院・施設等の退院・退所手続き

・携帯電話・インターネットの解約

・運転免許証の返納

・公共サービスの解約・清算

・遺品整理

これら手続きを行う人を事前に決めておき、死後に不都合が生じないように手配する必要があります。

対策

ここまで見てきたように、お一人様には様々なリスクが伴います。ここからは、今から備えられる対策・制度についてお伝えしていきます。

身元保証サービス

入院リスクへの備えとして考えられるサービスになります。これは、保証人の立てられないお一人様に代わり、第三者が保証人となるサービスです。老人ホームや賃貸住宅への入居、病院への入院等において身元引受人、身元保証人(連帯保証人)となり、支援を受けることが出来ます。 民間企業のほか、一般社団法人や NPO 法人など様々な団体がサービスを提供しております。 提供する事業者によってサービス内容や料金が異なりますので、予めよく確認をするようにしてください。

任意後見制度

介護リスクへの備えとして考えられるサービスになります。 この制度は、本人に判断能力があるうちに、任意後見人の選任と委任内容を決め、判断能力が低下した場合に任意後見人が委任内容を実行する制度のことです。任意後見制度の場合、本人が自由に任意後見人を選任することが出来ます。友人・知人や専門家(弁護士・行政書士など)といった自分が信頼できる人に依頼することが出来るのです。

委任契約の内容については、委任者(依頼する人)と受任者(依頼を受ける人)との間で自由に決めることができます。ただし、「自身の財産を渡したい」、といった内容に関しては、「遺言書」に書く必要がありますので注意してください。

死後事務委任手続き

死後リスクへの備えとして考えられるサービスになります。 これは、本人が第三者に対して、自身が亡くなった後の諸手続を依頼する契約のことです。通常であれば親族が行うことを、親族以外の第三者に依頼できる制度となっています。

死後事務委任契約の内容については、任意後見制度と同様、委任者(依頼する人)と受任者(依頼を受ける人)との間で自由に決めて構いません。

まとめ

・平均寿命・健康寿命はともに上昇傾向。老後は平均8~12年の「不健康期間」が予想される。

・不健康期間には、入院リスク・介護リスク・ 死亡リスクの三つのリスクがあり、それぞれに対策を立てる必要がある。

・ リスクへの対策として、死後事務委任契約・身元保証サービス・任意後見制度の3つが利用できる。

今回は、おひとりさまの抱える老後のリスクとして、三つのリスクをお伝えいたしました。どのリスクに関しても、いつ何時起こるか誰にもわかりません。そのため、 早急に対策を立てることがとても大切になります。これは終活全般に言えることです。

もし、今回お伝えした内容に関して、あるいは終活全般に関して不安なことがあれば、名古屋市熱田区の合同会社 SBNに一度ご相談下さい。

参考:

一般社団法人 死後事務支援協会 https://sigozimu.com/

相続会議 https://souzoku.asahi.com/

日本公証人連合会 https://www.koshonin.gr.jp/