(本記事作成日:2021年10月16日)
空き家活用方法のご紹介記事で以前に「空き家の活用方法~売却編~」「空き家の活用方法~リノベーション編~」を出させていただきました。
その中でもお伝え致しましたが、空き家を放置することによって様々なデメリットが生じてきます。
建物倒壊による周辺住民への損害発生・特定空き家に認定されることによる固定資産税の増額・老朽化に伴う資産価値の低下などが良い例です。
これらを防ぐためにも、空き家を放置するのではなく有効に活用することが大切になります。
少子高齢化により、今後ますます全国的に空き家が増加することが予想されています。
供給側の空き家が増加する一方、需要側の買い手が少子化により減少していく状況はさらに拡大していくと考えられます。
そうなる前に、早めに対策を取ることが、結果的には得に繋がるケースが多いです。
今回は空き家の活用方法第3弾となる、「賃貸」についてお伝えしていきます。
空き家を賃貸に出すメリット・デメリット
3つのメリット
固定資産税が上がることを防ぐ
不動産の所有者に対しては毎年固定資産税が課されます。
この固定資産税は、建物が建っている土地に対しては、優遇措置(固定資産税の住宅用地の特例)が適用され、税額が1/6に軽減されます。
しかし、2015年5月26日に施行された空家等対策特別措置法によって、「特定空き家」に指定された場合には、先ほど述べた固定資産税の優遇措置が適用されなくなります。
そのため、固定資産税がそれまでの6倍に跳ね上がることになります。
どのような空き家が特定空き家に該当するかと言うと、次のいずれかに該当するものとされています
1.倒壊など著しく保安上危険となるおそれのある状態(例 建物が傾いているなど)
2.著しく衛生上、有害となる恐れがある状態(例 ゴミが放置されて悪臭が漂っている)
3.適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
(例 建物に汚物や落書きがなされている)
4.その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
(例 野犬や野良猫などが集まり鳴き声がうるさい、不審者が侵入している)
なお、特定空き家に指定された後、自治体からの命令に応じず違反した場合最大50万円以下の過料が科されてしまいます。
このように、空き家を放置することで、固定資産税が増額される自体になりかねません。
それを防ぐ手段として、空き家の賃貸が活用できるのです。
空き家の借り手が見つかることにより、建物や土地の管理が適切になされることが期待できるため、特定空き家に指定されずに固定資産税の優遇措置を継続することが期待できます。
家賃収入を得られる
借り手が見つかれば、そこから継続的な家賃収入を得ることができます。
そのまま空き家を放置するだけでは何も生まれず、税金などの費用が出て行くだけになります。
また、人が住むことにより、清掃や換気が行われ、建物の老朽化を防ぐことにも繋がります。
将来的に家族に譲ることができる
建物を解体したり売却した場合、手元に建物が残りません。
先祖代々の実家など、その場所に住んでいた家族の思い出が残った家であれば、手放すことが寂しいと思われる方も多いのではないでしょうか。
そのような場合、賃貸という方法をとることによって、建物を手放さずに活用することができます。
また、将来的には自分の子供などの家族にその家を譲り、先祖代々の家を受け継がせることもできるのです。
3つのデメリット
リフォーム・リノベーション費用がかかる
空き家をそのままの状態で借りたいという人がいれば良いですが、そうでない場合には、リフォーム・リノベーションを行い、より魅力的な家にする必要があります。
建物の外壁や設備、内部のデザイン面などでを、借り手の満足する物件に変えていく必要があります。
これらを行うためには、リフォーム・リノベーション費用が掛かりますし、また、それらを実施する業者の選定や打合せ等、手間と時間が掛かってきます。
その分、付加価値が上がった物件は借り手を見つけやすく、また、より高い賃料を得ることも期待できます。
リフォーム・リノベーションを行って賃貸に出す場合には、デザインやコンセプトなど、しっかりと業者と打合せを行い、計画的に進めていくようにしましょう。
入居者とのトラブル
借り手が無事に見つかったとしても、入居後にトラブルが発生することが考えられます。
家賃滞納、隣人とのトラブル等がその例です。
不動産会社を通さずトラブルが発生した場合にはご自身で対応する必要が出てきます。
そのようなリスクを負いたくない場合には、管理会社に委託することが必要になります。
借り手が見つからない場合もある
入居者募集をしても、借り手が見つからない場合(空室リスク)もあります。
リフォーム・リノベーションや広告宣伝に時間やお金をかけても、借り手が見つからなければ、空き家を賃貸に出すメリットを享受することはできません。
賃貸物件として募集を行う前には、周辺の賃貸需要を見極める必要があります。
賃貸物件の活用方法
賃貸に出す
住宅用として貸し出す一般的な形になります。
定期借家
これは、賃貸に出す期間を決めておき、期間が満了した場合に借主から建物を明け渡して貰える契約形態です。
今後建て替えの予定がある、仕事の都合で一定期間のみ空き家になるのでその間だけ賃貸に出したいなどの希望がある場合には最適です。
シェアハウス
若者を中心に人気となっているのがシェアハウスです。
シェアハウスとは、1つの賃貸住宅の中に、住人のプライベートスペースと、住人全員が利用できるパブリックスペースを設け、住人が共同生活を送る住居のことを言います。
共同生活を送る住人同士で賃料を負担し合うことで、借り手にとっては、賃料の負担軽減につながります。
店舗
空き家をカフェやレストランなどの店舗として利用する方法です。
この場合には、用途変更が必要になるなど、注意すべき点があるので事前にしっかりと確認するようにしましょう。
まとめ
・空き家の活用方法として、空き家の「賃貸」がある。
・空き家を賃貸に出すメリットは、固定資産税が増えることを防げる、家賃収入が得られる、家を手放さずに済むことが挙げられる。
・一方のデメリットは、リフォーム・リノベーション費用がかかる、入居者トラブル、空室リスクが挙げられる。
・空き家賃貸の具体的用途としては、賃貸・定期借家・シェアハウス・店舗等がある。
今回までで、空き家活用シリーズとして「売却編」「リノベーション編」「賃貸編」の3つを公開させて頂きました。
それぞれメリット・デメリットがあり、いずれの方法が良いかは、個人の希望や環境などによって異なってきます。
しかし、インターネットや様々な書籍がある中で、情報を取捨選択して自分に最適な解決方法を探っていくことは難しい時代になってきています。
ご自身での判断が難しい場合には、専門家に相談して、意見を貰うことも検討してみて下さい。
名古屋市熱田区の合同会社SBNでは、空き家の活用方法に関してご相談頂けます。
初回無料でご相談頂けますので、まずはお気軽にご連絡下さい。
親切丁寧に対応させて頂きます。
参考
NPO法人 空家・空地管理センター https://www.akiya-akichi.or.jp/
公益財団法人 不動産流通推進センター https://www.retpc.jp/