終活2009年ごろに生まれ、メディアなどに取り上げられることも多くなりそこから広く浸透していくようになりました。終活という言葉をよく耳にするようになり、その必要性を感じていらっしゃる方も少なくないかもしれません。
友達や子供に勧められて、パートナーと死別をして先々のことに不安を持つようになった、テレビなどで紹介されているのを見て、など終活に対して興味を持つきっかけやタイミングは人それぞれあるでしょう。
また、ライフスタイルが多様化する中で、家族の在り方や最期を迎える時のパートナーとの関係も、さまざまな選択肢がある時代です。
終活を進めていくとさまざまな希望や死後の要望なども出てくるのが自然です。自分らしく最期を迎えたい、という人も増え、葬儀の事前予約をされる方も増えています。
実際、人が亡くなった時というのは葬儀までどのような流れがあるのでしょうか?残される家族の負担を減らし、自身の想いを伝えておけるとお互いにとって前向きな終活の活動となるのではないでしょうか?
今回の記事では、終活に取り組む必要性と共に、基本的な葬儀までの流れを考えていきたいと思います。

終活の必要性とは?

終活をする場合には、どの様な行動をとれば良いのでしょう?
「終活」という言葉自体はマスメディアがつくった造語ですが、なぜここまで世の中に浸透し誰しもが聞いたことのある言葉として成長を遂げたのでしょうか。
当時から、多様化した供養方法などを取り上げる記事などは特段珍しいものではなかったと思います。しかし、活動を一言で分かりやすく捉え、またそれまではどちらかと言えばネガティブなものとして扱われることの多かった、死に関連したり付随する行動を「残りの人生をより有意義に楽しく生きるための活動」とポジティブに捉えて提唱したことなどが、多くの人に受け入れられる要因になったのではないでしょうか。

またここまで大きく広がった理由の一つとして、少子化や核家族化といった家族の多様化というものも挙げられるのではないでしょうか。
第一次ベビーブームと呼ばれる1940年代には出生率は4.3でしたが、2020年の統計では1.34となっています。また、長寿化や晩婚化、離婚率の上昇、おひとりさまなど人々を取り巻く環境が変化しています。
昔は親の介護や死後のさまざまな手配などを家族や兄弟、親戚などで分担して協力することも可能でしたが、少子化や核家族化の影響により労力を分担できず、ひとりひとりへの負担が大きくのしかかる状況も増えています。

頼れる家族がいない、残される家族の負担を少しでも減らしておきたいという気持ちが、終活の促進に繋がったのではないでしょうか。
終活という言葉が生まれ10年以上経った今、終活を推奨しサポートをする自治体も増え、より一層終活についての仕組みや取組みも充実しています。
これだけ活発に成長を遂げてきた背景には、多くの人が「終活」について大きな関心を持っていることがうかがえます。

終活の活動は、人生のしめくくりとしてその余生を充実させることはもちろん、自分の没後に家族が様々なことで困らないように、自分の遺志を伝えるという意味でも終活は大きな役割を持ちます。自身の想いを伝えるだけではなく、手続き関連の情報などを遺族に分かりやすく伝え、負担を軽減することにも一役買ってくれることでしょう。

葬儀までの流れとは?

終活の活動の内容は、葬儀やお墓の要望、介護や終末医療について、そして財産の整理や遺産相続についてなど多岐に渡ります。しかし、必ずこれをしておかなければならない、という決まりはないので自身が取り入れたいと思ったタイミングで始めてみるのが良いでしょう。
ここでは、人が亡くなった時には誰しもが避けて通れない葬儀について考えてみましょう。葬儀の準備というのは、思っている以上に時間との勝負のような側面を持ちあわせています。しかも遺族はそれを、家族を失ったという喪失感を抱えながら取り組む必要があります。
下記は臨終から、初七日法要までの流れを大まかに挙げたものです。

➀逝去・・・親族や葬儀会社に連絡する
②安置・・・遺体を搬送して安置する
③打ち合わせ・・・葬儀の日程や内容について葬儀会社と相談をする
④納棺・・・ご遺体を清め旅立ちに向けた支度を行い、副葬品といわれる思い出の品とともに棺に納める
⑤通夜・・・通夜式を執り行う
⑥葬儀・・・告別式を執り行う
⑦火葬・・・近親者で骨上げする
⑧初七日法要・・・読経、焼香をして故人を供養する。昨今は7日後に改めて集まるのが難しいことも多く、葬儀当日に行うことが多い。

初七日法要まで終えると一区切りとなりますが、そこまでには決めておかなければならない様々なことがあります。葬儀の打ち合わせで決める主な内容には、一般的にこのようなものがあります。

 ◇葬儀プラン
 ・寝台車や霊柩車について
 ・祭壇や棺、花のグレード
 ・遺影の準備
 ・精進落としの料理のグレード
 ・返礼品について など
 ◇宗教や宗派の確認
 ◇喪主は誰が務めるのか
 ◇参列者について
 ◇予算と総費用


葬儀の内容はその他にも、葬儀中に流してほしい音楽が映像がある、故人の好物を参列者に味わってもらいたい、白装束ではなくお気に入りだったの服を着せたい、趣味などを紹介したいなど、こだわると非常に膨大な情報量が必要となってくるでしょう。

そのため、最近は終活の取り組みの中で生前予約を取り入れる人も多くなっています。残される家族の負担を減らしたいと考えるのはもちろんのこと、ライフスタイルが多様化する中で、人生の締めくくりも自分らしいものをと希望し生前予約を考える方が増えているのです。生前予約とは言ってみれば、自分の希望を事前に明確にし伝えておく、言わば『お葬式のセルフプロデュース』と言えるでしょう。
生前予約とは、元気なうちに葬儀の内容を決めておくもので、もちろん日付を決めることはありません。そのため、時間の流れとともに、社会情勢が変わったり、自分自身にも思わぬ事態が発生したりすることがあります。たとえば、葬儀の生前予約をしてから数十年後に亡くなった場合など、時間が経過した中で葬儀社の経営状況が悪化し、最悪の場合には倒産していたということも考えられます。また、喪主にと考えていた方が先に亡くなることもあり得ます。

また、ご自身の葬儀への希望も時間とともに変わることも考えらます。生前予約をする際には万が一のことを考えて、生前予約の契約後でも葬儀の内容変更や解約ができる葬儀社やプランを選んでおくことをおすすめします。

葬儀を執り行う意味とは?

日々の暮らしの中で、常に自身の葬儀のことを考えている人はあまりいないでしょう。家族や親しい友人などが亡くなることで自身の最期のことも考え、葬儀の準備をはじめるというのが一般的です。それをきっかけに終活に取り組む方も多いようです。

葬儀は故人を葬り供養するための儀式ですが、そのほかにもいくつか意味があると言えるでしょう。
まず葬儀を行うことに、心理的な意味が大きく含まれているのではないでしょうか。家族や親族にとって、身近な人が亡くなったことに対する心の整理をつけることです。身近な人が亡くなるのは非常に辛く、なかなか事実を受け入れられないという人も少なくありません。葬儀を行うことで、事実として少しずつ受け入れられる準備となるでしょう。
葬儀だけでなく、初七日や四十九日をはじめとした法要は、遺族が故人の死を受け入れるために、心の整理を助ける大切な仕組みであるとともに、故人のことを思い出し語り合うための大切な時間とも考えられています。
普段、長期間会う機会がない親戚など、関係が希薄になってしまいがちですが、葬儀や法要などを通じて改めて関係を深めることができるきっかけと感じる人も多いのではないでしょうか。

まとめ

葬儀までの日程については3日~5日程度と言われていますが、火葬場の予約状況や季節や日柄などによっては前後することもあります。病院によっては早めに退去を求められるところもあり、逝去後は速やかに葬儀社に連絡して安置場所を決める必要があります。
そのため遺族は短い時間の中で様々なことを決めなければならず、お別れまでの時間の中でなかなかゆっくりと想いを馳せることが難しいことも少なくありません。終活を通じて、大まかにでも自身の要望をまとめておき伝えておくことができていれば、家族の負担を減らすと共に、故人のことをゆっくりと偲んだり、親しかった方たちの間で思い出話を語りあったりという時間を持つことができるかもしれませんね。

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