お墓の管理を後の世代に託したくない、あるいは託す人がいない場合には、「お墓を持たない」という選択をする人もいるでしょう。
しかし、お墓をいらないと考えても、遺骨をどのように扱うかは決めておかなければなりません。
その場合に役に立つのが「終活」です。
今回は、お墓はいらない、と考える人がやっておくべきことについて解説していきます。
お墓の必要性
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お墓はなぜ必要になるのか。
まずは、お墓の役割についてお伝えします。
お墓には2つの役割があります。
一つ目は、遺骨を埋葬する場所になることです。
遺骨は、法律の決まりで、許可を得た場所にしか埋葬することができません。
そのため、お墓は、遺骨を供養する場所として必要不可欠なものとなっています。
また、墓石には、先祖代々の名前が刻まれます。
そのため、後世の人々が、お墓を通して先祖のルーツを辿ることもできるのです。
お墓のもう一つの役割は、故人と残された家族を繋ぐことです。
お墓があれば、お墓参りをすることができます。
墓前で手を合わせることで、故人を思い出し、家族の絆を確かめることができます。
さらに、定期的にお墓参りをすることで、離れて住む家族が集まる場としての役割を持ちます。
お墓を持たないことのメリット・デメリット
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メリット
お墓の承継が不要
お墓がなければ、お墓の管理が不要なため、承継者も当然不要です。
最近は生涯独身の人や子供のいない夫婦が増えており、承継者の心配をしないで済むことは大きなメリットと言えます。
お金の負担がない
お墓を購入すると、墓石代や霊園の永代使用料が必要となります。
この費用は平均で169万円となっています(株式会社 鎌倉新書「第 12回 お墓の消費者全国実態調査(2021 年)」)。
加えて、毎年の管理費用も必要になります。
お墓を必要としないことで、これらにかかる費用を削減することができます。
デメリット
故人を偲ぶ場所がない
お墓がないことで、お墓参りができなくなります。
故人を偲ぶ方法を別で考える必要が出てくるでしょう。
親族から非難される
お墓を持って維持管理し、自分もお墓に埋葬されることが、社会人としての常識だと考える人はいます。
親族にそのような考えの人がいた場合、お墓を持たない選択をすることで、非難されるかもしれません。
お墓を立てる費用が後世の負担になる
お墓がないという問題点は、子供以下の代に引き継がれることになります。
子供が自分でお墓を建てる選択をした場合、その費用は子供がすべて負担することになります。
子供にそのような負担をさせることは本意ではないと考える人にとっては、デメリットと言えます。
お墓を要らないと考える方がやるべきこと
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墓じまい
代々承継してきたお墓がある場合、ご自身以外に承継する人がいない場合、墓じまいをする必要が出てきます。
墓じまいとは、現在あるお墓を撤去して更地に戻し、その使用権を墓地の管理者に返還することを言います。
墓じまいを行う場合、お墓に納めていた遺骨は、永代供養など別の方法で供養する必要があります。
墓じまいを行う場合は、必ず親族と話し合って決めるようにしてください。
ご自身で勝手に墓じまいをしてしまうと、トラブルになる可能性があります。
納骨方法を決める
ご遺骨の納骨方法としては、以下のようなものがあります。
納骨堂
納骨堂とは、個人、夫婦などの単位でご遺骨を納めることができるスペースのことです。
納骨堂の場合、運営するお寺や霊園がご遺骨の管理(永代供養)をしてくれますので、親族の負担もなくなります。
自然葬
自然葬とは、遺骨をお墓に納めるのではなく、海や山などの自然の中に散骨します。
遺骨を砕いて粉末にしたものを撒くことで、自然に還れるというのが自然葬の考え方です。
自然葬の具体的方法としては、以下のものがあります。
- 樹木葬 → お墓の代わりに樹木そのものを墓標とするもの
- 海洋散骨 → 船上からご遺骨を海に撒くこと
- 宇宙葬 → カプセルに入れた遺灰をロケットで打ち上げるもの
★樹木葬について詳しい記事はこちら
→ お墓の継承者がいない場合の新しい形「樹木葬」
★海洋散骨について詳しい記事はこちら
→ 自分らしい埋葬のかたちとは?自然に遺骨を還す「海洋散骨」
親族に伝えておく
お墓を持たないことに関して、親族に必ず伝えておくようにしましょう。
後々お墓がないことが分かると、トラブルになる可能性があります。
デメリットの項目でもお話ししたように、お墓を持つことが社会人の常識と考える人にとっては、受け入れにくい状況と言えます。
事前に話し合いの場を持ち、了承を得るようにしましょう。
まとめ
- お墓の役割として、遺骨を埋葬する場所、故人と残された家族を繋ぐことの二つがある。
- お墓を持たないメリットは、お墓の継承が不要、お金の負担が不要の二つがある。
- お墓を持たないデメリットは、故人を偲ぶ場所がない、親族から非難される、費用の先送りの三つがある。
- お墓を持たない人がやるべきことは、墓じまい、納骨方法を決める、親族に伝えておくの三つがある。
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