自分や家族が突然癌と診断され、動揺して何をして良いかわからない、とお困りの方もいることと思います。
癌は人の生死に関わる病気であり、すぐには気持ちの整理が出来ないのではないでしょうか。
特に余命宣告を受けた場合、本人や家族に与える精神的影響は計り知れません。

時間が経ち、ご自身が癌宣告をされたことを受け止め、その後の人生を考えた際、ご自身や家族の今後の人生にどう備えるか、考えることがあると思います。

今回は、「終活」の観点から、どのような備えをすべきか、やるべきことやポイントを解説します。

余命宣告とは何か

患者に説明する医師

余命宣告とは、医師が患者に対して、その人があとどのくらい生きられるかという余命を伝えることをいいます。
医療技術が進歩し、癌であっても治療が可能な時代になりましたが、進行具合や発生箇所によっては治療が困難で、余命宣告を受ける場合もあります。
進行性のがんの場合、余命宣告は1年以内である場合が多いです。

出来るだけ早い段階で終活準備を進め、残りの人生を悔いなく過ごせるようにしましょう。

やるべきこと

TODOリストが書かれたノートとペン

加入している保険契約の確認

医療保険・がん保険・生命保険になどの保険に加入している場合は、保険会社へ連絡して現状を説明しましょう。
加入している保険によっては、入院などに対して保険金が適用される場合もあります。
がん保険であれば、がんと診断されただけでまとまった保険金が給付される場合もあります。

また、生命保険の中には、生前に保険金を受け取ることが出来る「リビングニーズ特約」が備わっている場合があります。
これは、残された家族による保険金請求手続きの負担を軽減させるためのもので、余命宣告を受けた場合に手続きできるというものです。

保険内容や保険金受取人の確認も含めて、一度保険会社へ連絡しましょう。

エンディングノート作成

エンディングノートとは、もしもの場合に備えて、家族や周囲の人に伝えておきたいことを書き記しておくノートのことです。

エンディングノートは、何でも自由に書くことが出来ます。
書き方の形式・ルールもありません。
個人情報から、持っている資産(銀行口座や不動産など)、葬儀やお墓についてのほか、大切な人へのメッセージや思い出の写真を載せるなど、自由に書くことが出来ます。
また、延命治療を望むか否か、最期をどこで迎えたいかといった希望を書いておくことも大切です。

エンディングノートを書くことで、必要な情報が整理され、自分が亡くなった後に家族が各種手続きで困ることがありません。
また、大切な人へのメッセージを書くことで、見た方の思い出に残るようなものに仕上げることも出来ます。

★エンディングノートの書き方についての詳しい記事はこちら
  → エンディングノートの目的と内容について
★エンディングノートに書く項目についての詳しい記事はこちら
  → 終活やることリスト!これをやれば安心な8項目と挫折しない方法をご紹介

遺言書の作成

遺言書とは、自分が亡くなった後、自分の財産を誰にどのように渡すかを指定するための書面です。
遺言書を作成しておくことで、自分が亡くなった後に家族が相続トラブルに巻き込まれることを防ぐことが出来ます。
相続財産が少額であってもトラブルの可能性がありますので、作成しておくことをオススメします。

遺言書作成にあたってはルールがあります。
ルールに沿っていないと無効になりますので注意が必要です。
書き方が不安な方は、行政書士や弁護士など、専門家に相談することも検討してください。

★遺言書についての詳しい記事はこちら
 ・「自筆証書遺言」について知りたい 
   → 書いた遺言書が無効に!?必ず守るべき自筆証書遺言作成ルールがあります! 
 ・「公正証書遺言」について知りたい 
   → 無効の心配が無い!トラブル防止にも役立つ「公正証書遺言」の作成流れについて
 ・「秘密証書遺言 」について知りたい
   → 遺言書の中身を秘密にしたい!秘密証書遺言のメリット・デメリットと作成流れについて

葬儀・お墓の手配

人が亡くなった後、残された家族の大きな負担になるのが葬儀・お墓の手配です。
時間が無い中で手配しなければならないほか、大きな費用がかかるという問題もあります。

葬儀については、一般的な形式の他、通夜・葬儀を無くした「直葬」という新たな形も出てきており、選択肢が増えてきています。

またお墓については、家族に負担をかけないため、永代供養墓・納骨堂や散骨を希望される方が増えてきています。

「銀行預金が凍結され、葬儀代を準備するのに苦労した」というお困りごとも多く、予め契約して支払を済ませておくか、現金を準備しておくことも必要かもしれません。

★葬儀について詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい
  → 葬儀のセルフプロデュース!生前予約をする時に気をつけたいこと
  → 葬儀費用の内訳について
★お墓について詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい
  → 亡くなった後のお墓の管理をどうするか決めていますか?

家族はどうすれば良いか

入院患者を支える家族と病院関係者

本人の精神的サポート

余命宣告を受けた本人は精神的に不安定になりやすいため、家族がしっかりとサポートしましょう。
家族自身も辛いと思いますが、ただ側にいてあげるだけでも不安が和らぐことでしょう。
出来るだけ家族の時間を作れるよう、サポート体制を整えていきましょう。

本人の希望を聞く

財産をどうするか、今後の治療はどうするか、最期をどのように迎えるかなど、本人の希望が大事な項目については、予め確認しておきましょう。
聞きにくいこともあると思いますが、本人も家族も後悔のないように、しっかりと話し合うことが大切です。

確認したことはエンディングノートにまとめておくと、後々見返すことが出来るので大変便利です。
ただし、法的拘束力が無いため、財産の分け方については遺言書を作成してきましょう。

まとめ

余命宣告を受けると、本人だけでなく家族も不安や恐怖に襲われてしまい、何も手がつけられなくなってしまう場合もあるでしょう。
特に、余命宣告直後は精神的影響が大きく、何も出来ないことが多いと思います。

現実を受け入れ、向き合う気持ちが整ったら、残された人生を全うするため、少しずつ終活を始めてみてはいかがでしょうか。

Good Endingでは、税理士を初めとした専門家チームが、終活に関する問題解決のサポートを全力で行っております。
不安なこと・困ったことがありましたら、Good Endingへご相談ください。